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度重なる不祥事を受けて、与党にとっては逆風となっている今回の参議院議員選挙。中でも年金記録漏れ問題については、県民の関心も高く、両候補ともに具体的な政策を強調し、支持を得ようと必死です。

また、この選挙を前に、沖縄県にはとりわけ深刻な問題も浮上しました。

シリーズ真夏の決戦。きょうはこの選挙戦の争点とされる2つの課題に対する両候補の考えを紹介します。

有権者(Q:何を一番、判断材料として重視しますか?)「う〜ん、年金かな」「やっぱりみんなが言うように年金とか」「やっぱり年金ですよね」

消えた5000万件の記録。問題が持ち上がって以来、国民の不満を爆発させた年金問題。今回の選挙の最大の争点とも言われています。

朝日新聞社と沖縄タイムス社の情勢調査でも投票行動に年金問題を「非常に重視する」と答えた人が52%、ある程度関心があると答えた人と合わせると90%にも上っています。

西銘候補「年金はもちろん社会保険庁が悪い。政府が責任を持って、まず県民や国民の皆さんにお詫びをしていただきたい」

大臣の不適切な発言に、事務所費問題などで政府与党に厳しい批判が相次ぐ中、浮上した年金問題。

西銘候補「私たちは社会保険庁を解体すべきだと思っています」

西銘さんは1年以内に未確認の記録を整理することや社会保険庁の解体といった政策をかかげ、国民に年金を完璧に支払うと、信頼の回復に必死です。

西銘候補「未払いのものがあったとして、証拠があるにしても、時効があるから5年前の分までしかさかのぼってもらえないんですね。6年前のものはもらえないんです。ですから、時効を撤廃した。だから6年前のものも10年前のものも、15年前のものも20年前のものも、もらえるような状況にしてきました」

一方、糸数さんは年金問題の責任は政府にあると厳しく批判。安倍政権が打ち出す、社会保険庁の改革法案に疑問を投げかけています。

糸数候補「国はきちんと払ったものは支払う義務があるわけですよね。それをしっかり正していく。私は今の政権では無理だと思います」

糸数さんは新しい年金手帳の導入を訴えているほか、年金の財源を税金にすべきだと主張しています。

糸数候補「これだけ膨大な消えた資料を1年できちんと戻せるかどうかはとても不安なんですね。支払った金額も支給された額もわかるような年金手帳を作っていく。それがまず先決じゃないかと思っています」

そしてもう1つ注目されているのが「教科書検定問題」。沖縄戦の集団自決の記述から軍の関与が削除されたことを受け、県議会は検定意見の撤回を国に求める意見書を2度にわたり可決しました。また撤回を求める署名は何と40万人分。県民の批判は高まっています。しかし…。

伊吹文科相「全ての集団自決が全て軍の関与で行われたという記述については、それは必ずしもそうでないと」

安倍総理「教科書用図書の検定の審議会が学術的観点から検討しているということです」

なかなか撤回の意向を示さない国と反発を強める県民の板ばさみになり苦しんでいるのが西銘候補。選挙とこの問題を切り離したい、発言からはそんな苦しい状況が汲み取れます。

西銘候補「沖縄戦の実相、事実を教科書に残すというのは、当然の話でありまして、私は選挙の争点にはならないと思っています。私が検定撤回に反対したわけではないわけですから、その点は皆さんにもご理解いただいて」

一方、長年平和ガイドを務め、沖縄戦を語り継いできた糸数候補。

糸数候補「とても大きな争点になると思っています。やはり安倍政権が教科書の記述まで変えてでも戦争を美化して、その行き着く先は憲法を変え、戦争のできる国に日本の国そのものを導いていこうというプロセスの一つなのかなという風に考えてしまいます」

西銘候補「軍命があったというのは僕は事実だと思っています。ですから、事実は事実として、後世に正しく伝える、これがまさに僕は教育の本質じゃないかと。当然これは撤回要求をしていこうと思っていますから、ここで与党とか、野党とかはないと思う。僕はない」

糸数候補「彼は与党の立場です。国に太いパイプがあるはずなんです。であれば、この太いパイプを生かして、県民の立場をしっかり国に訴えていくべきであって、ここで生かさなければ、どこで生かすんですかと申し上げたいです」

期日前投票5万人超える

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ところで参院選の期日前投票者数はきのう現在で5万人を突破、。過去最高だった半年前の知事選の同じ時期に比べて、1万2000人余りも増えています。

県選挙管理委員会がきのう現在でまとめた2回目の期日前投票者数は5万4736人で、15日現在の集計より一挙に4万3788人も増えました。これは半年前の知事選や参院補選の同じ時期に比べても大幅に増えています。

この背景には、最大の争点の年金問題などに有権者の関心が集まっているためと見られています。