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めざせ甲子園6回目は去年、日本の高校野球史上、離島勢として初めて実力で夏の甲子園に出場するなど、春夏合わせて旋風を巻き起こした八重山商工です。全国の話題をさらった活躍は、今年のチームに新しい変化をもたらしました。

県立八重山商工。日本最南端の高校球児として去年の春と夏、甲子園に出場。学校の中庭には、全国に爽やかな旋風を巻き起こしたナインの活躍を記念するモニュメントも建てられています。そして、野球場のバックネットに掲げられたスローガンは「めざせ全国制覇」

そんなチームに、今年4月、25人の新1年生が加わりました。去年の部員の数とほぼ同じ人数です。この中には、甲子園の夢を求めて沖縄本島から5人。大阪や京都など、本土からも4人が、海を渡って入部しました。離島に野球に留学・・・。沖縄の高校野球の歴史の中でも初めての出来事です。

伊志嶺吉盛監督「彼らは積極的ですよ。彼らは本当に八重山商工に来て甲子園に行きたいという、そういう思いが強くて来たと思うんで」

阿嘉竜秀選手「八重山商工だと練習もきつくて、朝練も5時からあるので、精神的にも技術面でも向上できると思って」

北倉久義選手「甲子園に出る高校はどこも辛い練習をやっていると思うので、それは我慢してやっていきたいと思います」

決意を持って入部して来ただけあってさすがのコメント。さらに今年の1年生にはこんな子も・・・。

松高弘奈マネージャー「本島から来ました」

何と、八重山商工のマネージャーになりたいと沖縄本島からやって来たのが松高弘奈さん。去年の活躍に魅せられた松高さんは、親を説得して八重山商工のマネージャーになるために入学しました。

船道良平選手「いやもうびっくりっす。本島からまさか来るとは思わなかったので」

現在、たった一人のマネージャーとして奮闘中です。

松坂弘奈マネージャー「甲子園が好きで、一緒に甲子園に行けたらいいなと思って」

では、新たに加わった仲間とともに挑む八重山商工の今年の戦力を紹介。バッティングは、去年のメンバーで、3番の金城賢司選手を中心に4番の浦崎善樹選手などが順調に仕上がっています。

投げてはエースの当山徳人投手や平安名貴之投手の3年生コンビに加え、2年生、波平浩太投手の3人の仕上がりがチームの勝敗の大きな鍵を握りそうです。

伊志嶺監督「アホかお前!本当によ〜。今さっき言わなかったのかよ。知花によ〜聞いてないのかよ〜」

伊志嶺監督「うちが足りないのは精神力。心の部分が足りなかった。鍛えた技、技術を上手くゲームで出せてない」

技術を操る心。この心の鍛錬のために厳しい練習があると伊志嶺監督は言います。

『人の価値は生まれた場所によって決まるものではない。いかに努力し、自分を磨くかによって決まるものである』

八重山を代表する偉人の一人、大浜信泉の言葉は、伊志嶺監督を支えた言葉でもあり、彼らが甲子園で実現した姿でもありました。八重山商工ナインが再び夢の甲子園を目指します。

当山徳人投手「もう一回甲子園に行きたいし、(今年)沖縄の高校野球で甲子園のマウンドで投げたことがあるのは自分だけなので、それも譲りたくない」

洲鎌朝太郎主将「(周囲の人に)夏は大丈夫かって言ってくるんで、プレッシャーな部分もあるんですけど、やっぱり自分達の目標は県大会で勝つのではなくて、甲子園で勝つことなので」

伊志嶺監督「八重山でも出来るということをもう一度、この小さな島からでももう一度出来るということを全国にアピールしたい。全国の舞台で頑張ってみたいなと、そしてあの頂点を目指してみたいなと思います」

海を渡って来た新入部員はマネージャーを入れて10人。彼らの思いが新たな力になっているようです。めざせ甲子園、明日は新チームとして、初めての夏に挑む名護商工高校です。