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去年11月、沖縄の高い失業率を全国平均の4%台に落とす公約を掲げ当選した仲井真知事。

狩俣候補『私は仲井真さんの政策を見た時から出来ないよといいました』

広がる格差の是正を訴える狩俣さんは、仲井真知事の失業者対策は実現しないと断言します。

狩俣候補『仲井真さんは企業誘致イコール雇用拡大なんですよこれは稲嶺さんの時に実証済みなんですよ』

稲嶺前県政が県内に誘致した企業の数は8年間で120社あまり。しかし、その間、失業率は7%から8%台で平行線をたどり、企業誘致は直接失業率の低下にはつながりませんでした。

日銀那覇支店はこの原因について企業の雇用条件と求職者の希望が合わない現状を指摘。実際、県内の求職者の4分の1を占める『一般事務』は新規求人倍率が0、23倍と極端に少なく、4人にひとりしか仕事に就けない状態が続いているのです。

島尻候補『今、言われているのはミスマッチの問題がありますよね。』

島尻さんは専門知識が必要なIT分野での人材の育成が必要だと訴えます。

島尻候補『若い人に技術を習得してもらうために技術の訓練を広く行えるようなシステム作りをやりたいと思っています。』

一方、狩俣さんは、地域での産業振興を前面に出します。

狩俣候補『企業誘致も大事なんだけど、もう一つ大事なことは』『経済自立を作っていく仕組みの中に地域、つまり地方における産業振興なんですよ、これがきちんと例えば、モズクをやって食っていける。あるいは牛を養って食っていける』『ですからリードするのは観光なんだけど、実際に取り組むのはこういうのをみんな組み合わせた形で組み立てていけば、必然的に失業率は下がっていきます』

沖縄の自立経済を考える上で切り離せない基地問題。普天間基地の名護市辺野古への移設も計画段階から実行段階に移りつつある中で両候補者は問題をどう捕らえているのか?

島尻候補『やはり普天間の例を挙げないといけないと思うんですけど、やはり大変な事故が起こったわけですから、危険性の除去は優先的に考えないといけないと思っております。』Q辺野古に基地を作るのは止む終えない?『そうですね。まぁ選択肢の一つであるとは当然思います。ただ、現地の皆様の声をどう吸い上げるかというのもありますしそれは仲井真知事がしっかりやってることですから私は仲井真知事とスクラムを組む中で、この問題解決に取り組みたい』

辺野古への基地建設を容認する島尻さん。これに対し、狩俣さんは国外への移転を主張します。

狩俣候補『理由はグアム歓迎、ハワイも歓迎、フィリピンも今実働部隊は沖縄に残ることになっているけど、実働部隊だってフィリピンは受け入れる用意があるのははっきりしているじゃないですか。国の責任者(アロヨ大統領)がメッセージを送ってるじゃないですか。なぜ、これを出来ないんですか?結局は思いやり予算でしょ。日本国民の税金使って、安い経費でやるだけのことじゃないですか。』

基地建設に協力する度合いに応じて関係市町村に交付金を出す歩合性にも似た法案が審議される中、沖縄の声を国に届けてくれるのはどちらの候補者なのか?有権者の選択の日はあと10日後に迫っています。

取材にあたった岸本記者です。

狩俣さんも島尻さんも普天間の閉鎖は早くしなくてはいけないとの認識は一致しているようですが跡地利用についてはどんな考えを持っているんでしょうか?

はい、狩俣さんは地域の産業育成を重視してますから跡地利用についても、帰ってきた土地にドカーンと大きな箱物を作るという発想はないようです。それよりも、その土地をうまく活用して、その地域の発展にずっと貢献できるようなもの製造業を育成したいと。

一方、島尻さんは、エンターテイメントという言葉がまず出てきました。娯楽ですね。でもただの娯楽ではなくって、世界中の難病を抱える子供達が遊べる施設だとか、これからどんどん増えてくるお年寄りを取り込めるプラスアルファのようなものを考えているようです。

そうですか。結構違いがありますね

また、普天間基地の跡地に建設を!なんていう話も一部で出ているカジノですね。

仲井真知事は前向きな姿勢を示していますが、これについては狩俣さんは 『カジノ』イコール経済活性化というのはあまりに短絡的だと反対しています。これに対しては島尻さんは、『県民の合意』が大切『県民の判断で』とどちらとも取れる発言に留まっています。

現在、また動き始めた辺野古の基地建設の是非は大きな争点になっていない?

そうなんですね。これまで沖縄の選挙といえばまず真っ先に基地問題だったんですが、今回は両者とも確かにあまり基地問題については強く主張していません。

それはなぜか?っていうところなんですが、この前の日曜日に全国で行われた知事選挙では現職の知事が9ヶ所で全勝しましたよね。

ここから見えてくるのは、国民全体にどんよりとした将来への不安といいますかもやもやっとした気持ちが広がっていると。だから、知事選でも、新しいリスクは取りたくないっていうところがあったと私は思うんです。だから、今回のこの沖縄の補選でも候補者はそれを感じ取って有権者にとって身近な生活の問題を強くPRしているんだと思います。