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特に女性に多いと言われる病気の1つが痔です。診察への抵抗感から、病状が悪化するケースが多いのも一つの特徴ですが、最近、沖縄から生まれたある薬がその治療法を大きく変えていて、より気軽に診察、治療を受けられる環境になってきています。

「(Q:痔の手術って、聞いてどう思いますか?どんなイメージですか?)痛そうみたいな、恥ずかしいみたいな」「痛そうなイメージでしょうか」「女性の、女のお医者さんがいいわね」「デスクワークしている人なんか多いと聞くので、しょうがないかな(Q:お友達とかでいます?)います」

生活習慣の乱れや、デスクワークの増加などから日本人に増えていると言われる痔。

中頭病院・當山鉄男外科部長「立って歩く人間は痔になります。2人に1人、3人に1人と言われていて、程度の差こそあれ、肛門を覗くとだいたい大きさは小さいものから大きいものまで様々ですが、ほとんどの方が持ってらっしゃいます」

痔は大きく、痔核、裂肛、痔ろうの3種類に分かれます。

そのうち、最も多い痔核は、いぼ痔とも呼ばれていて、肛門の内部にふくらみが出来る内痔核と、外に出来る外痔核に分けられます。内痔核の場合は、患部が徐々に腫れて肛門の外に出る、脱肛という重度の症状に陥る場合もあります。

裂肛とはキレ痔とも呼ばれ、肛門付近の皮膚が裂ける症状。

そのほか、痔ろうは、肛門付近に穴が開いて、膿がたまってしまう病気です。

當山鉄男外科部長「症状が強くなって、日常生活にも支障をきたすようになってから受診される方が多いのは事実」

すぐに病院に行くことは、ついためらってしまいがちなのが痔ですが、排便時の出血などを放っておくと、さらに重大な病気を見逃してしまうことにもなりかねません。

當山鉄男外科部長「やはり大腸、直腸といった、痔ではなく消化管の異常も可能性もあり」「それも特に悪性の疾患が隠れている可能性が否定できませんので、やはり早めに受診されることをお勧めします」

特に女性に多い病気だけに、最近では病院側も様々な配慮を行っています。ここ中頭病院でも肛門科専用の窓口を設置せず、外科の診察室で痔の診察もできるよう、女性でも入りやすい雰囲気作りを行っているほか、診察では、常に看護婦を同伴させ、シートを被せて、患部だけしか見えないような配慮も行います。

診察の結果も、実際には多くの人が生活習慣の指導や飲み薬などで直るといいます。そして、いざ手術となっても、最近では切らずに直る治療法も開発されています。

當山鉄男外科部長「切るのが10の痛さとしたら、1とか2とか、ほとんど痛みは感じない」

その治療薬が、このジオンです。ジオンは脱肛を伴う内痔核に有効で、患部の4箇所に注射することで、内痔核を硬化させ、患部を収縮させてしまうのです。

當山鉄男外科部長「手術の最中から痔核が小さくなってくるのが、ある程度分かります。」

このジオン治療で、これまでは一週間必要だった入院も早い人では、日帰りでの手術も可能になりました。

このジオンを開発したのは、那覇市のレキオファーマ。発売が始まってから、まだわずか1年半ですが、国内だけでなく、すでに海外15カ国でも特許を取得しています。

かつて、那覇市内で飲食店を経営していた奥キヌ子社長が中国の医薬品をヒントに、15年間かけて開発したのです。

奥社長「沖縄から日本、世界に発信できる何か作りたいと、そういう思いだけでずっとやってきました」

ベンチャー企業として、初めて医薬品の開発に成功した奥社長は去年、日本で最も優れた起業家に送られるジャパン・ベンチャー・アワードの経済産業大臣賞を受賞していま

當山鉄男外科部長「場合によっては、もう痔核治療は取って代わるかもしれないと考えられるぐらい。ジオン治療は爆発的に広がっている」

薬の効果が強いため、ジオン治療は研修を受けた医師しか行えません。現在全国で442、県内では8つの医療機関で治療を受けることができ、治療費はおよそ9000円。自覚症状を感じたら、まずは、気軽に病院で相談してみてはいかがでしょうか?

痔を防ぐにはどうしたらいいのかといいますと、ずっと座り続けるなど、同じ姿勢を長時間続けないこと、規則正しい生活習慣を身につけるということだということです。