2012年11月6日 18時41分

検証動かぬ基地 vol.120 強行配備1カ月 (4)強行配備の背景

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オスプレイ配備から1ヵ月。緊急特集をお送りしています。多くの県民の反対にもかかわらず、日米両政府は、予定通りにオスプレイを配備しました。なぜ、配備予定にこだわったのか。いや、こだわらなければならなかったのか。その背景には、アメリカのお国事情がありました。

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アメリカ海兵隊のオスプレイ配備計画。いつ、どの基地にオスプレイを配備するか、細かく記されている。普天間への配備は、2013会計年度第1四半期。つまり今年の10月に配備されることが以前から決まっていた。

しかし、相次ぐ事故を受けても、予定は変わることなく、オスプレイは沖縄に無理やり投入された。なぜ、日米両政府は配備予定に固執したのか。

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沖国大・佐藤学教授「私が思うには、一番大きな要件・条件は海兵隊の既得権を確保すると。(来年)1月2日からの政府赤字大幅削減、要するに予算の自動カットです。これはまだ生きている」

アメリカは去年、借金を返せない債務不履行直前の状態まで陥り、一時的に借金の上限を引き上げて急場をしのいだ。ただし条件付きだ。その条件とは歳出削減策を具体的に明示すること。

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しかし、具体策が何ら示されないまま大統領選に突入。年明けからは、10年間で1兆ドルという巨額の予算が自動的に削減される可能性が高まっている。もちろん、軍事予算も対象になる。

佐藤教授「予定通り、とにかく配備を強行したというのは、来年1月からの予算削減を見越して、その前に事実を作っておくという、そのような意図があるという風に私は思います」

アメリカで「OKINAWA」という地名は知られていても、そこで巻き起こる様々な基地問題はほとんどと言っていいほど知られていない。

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仲井真知事は先月、首都ワシントンに乗り込み、初めて県主催のシンポジウムを開催した。政府任せでは何も解決しないと「OKINAWA」が直接声を上げたのだ。

仲井真知事「この(普天間)問題が長すぎたので、県民も解決したいという思いが強い。本土の方に移すのが早いというのが主張」

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会場にはフランス人ジャーナリストの姿もあった。暴行事件を受け、仲井真知事がどんな発言をするか興味があったという。

AFP通信・タンドン記者「アメリカのメディアも沖縄の人々が現状をどのように考えているのか興味はあると思います。しかし世界では日々様々なことが起きているので、必ずしも一面トップの記事にはなりにくいでしょう」

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テレビ朝日・新堀仁子ワシントン支局長「今回沖縄の方が直接訴えるというのは、日本のメディアにとっては大きなニュースではあるんですが、残念ながらアメリカの方々にそれが響いて、すぐにこれで行動に移してくれるかというと、残念ながら厳しい、難しい状況じゃないかと思いますね」

確かに、アメリカ世論を動かすことは容易ではない。しかしここに来て、少しづつ変化も見え始めている。

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最も権威ある新聞ともいわれるニューヨークタイムズが9月の県民大会以降、2度にわたって、社説で沖縄の問題を取り上げ、オスプレイ配備を批判したのだ。

『長年基地負担を負ってきた沖縄にオスプレイを配備するのは、古傷に塩を塗りこむようなものだ』

佐藤教授「メディア本流中の本流のNYタイムズが複数回、記事あるいは社説で取り上げているということは、沖縄からの発信が少しずつ届き始めたということではあると思います」

そして、まもなく投票が始まる大統領選挙。その結果は当面の普天間問題にどのように影響するのだろうか。

佐藤教授「海兵隊の基地に関して、ロムニー氏であろうとオバマ氏であろうと、沖縄に海兵隊を置いておくことを一生懸命しないと大変だという政策はとることはないと思います。日本が金を出し続けている限り、それは拒む理由はありませんから、それだけのことだと思います」

日本政府が重たい腰をあげない以上、沖縄はアメリカ世論を味方につけるしかない。それには、地道で長い努力が必要だ。しかし、オスプレイ配備計画では来年の今頃、さらに12機のオスプレイを配備すると明記されている。時間は残されていない…。

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