※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

高校の歴史教科書の「集団自決」の内容に修正意見が付けられ、国の審議会が「旧日本軍による強制」を削除するよう求めました。

30日午後開かれた教科書検定調査審議会の検定意見では、2008年度から使用される高校の歴史教科書の沖縄戦の「集団自決」の説明で、従来の「日本軍に集団自決を強いられたり」という記述が「追い詰められて集団自決した人や」という文言に修正され、軍命の部分が削除されています。

この修正について、文部科学省は沖縄の集団自決で旧日本軍の強制命令があったかどうかについては言えないという近年の学説に基づき判断したと説明しています。

この方針転換に、集団自決の現場に居合わせ姉を亡くした宮城恒彦さんは「集団自決の証拠がないと言うなら、質問したい。民間人に日本兵から手榴弾を渡したと言うことは、これは何かという事」と述べました。

教科書記述の部分を修正するかどうかは教科書を発行する会社の自主判断となるものの、修正に応じなければ検定は通らず、教科書も発行できません。

教科書から旧日本軍による強制命令という記述が消されようとしているこの状況に、実相を歪めてしまうと危機感を訴える声もあがっていて、今後の論争が注目されます。