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沖縄県こどもの権利条例が制定されて一か月、7月31日に施行されたこの条例は、高校空手部の男子生徒が自死した問題を受け、県が設けた第三者再調査委員会で、こどもの権利の周知と相談・救済機関の設置を提言したことなどを背景に検討が進められてきました。

「こどもの権利」とは、一体どんなものなのか。子どもたちの声と、そこに向き合う大人たちの姿から考えます。

こどもの権利って、何でしょうか? 街の人に聞きました!

男子高校生「大体は知っています」「生きていく上で必要な権利だと思います」

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?

お父さん「いや、ちょっと分からないですね」

女子高校生「自分の意思で行動できたりすること」

母親「どこまで汲んであげて、どこまでしつけというか、大人の考えを伝えるかっていうところは、ちょっと難しいなって思います」

「こどもの権利」言葉は聞いたことがあっても、具体的にどういうものなのか、大人にとっても簡単には答えられない問いのようです。

子どもたちの出前講座「こどもの権利」を考える@8月13日 読谷村、読谷みらい児童館

「こどもの権利」について知ってもらおうと、先月、ワークショップが開かれ、講師には、県内で絵本作家として活動しているsavaさんが招かれました。

この絵本は、犬のクーが家から飛び出し、冒険に出かけるというところで物語が終わり、その絵本の続きを描いてみようというものです。

絵本作家 savaさん「自分の好きな未来とか、将来こんな場所に住んでみたい、こんなところに行ってみたい、こんな友達と一緒にいたいな、犬を飼いたいな、何食べたいなとか」

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?

物語の続きをsavaさんと共に、子どもたち自身が考えます。

小学2年生「ピンクでハートを書こうとしている」

小学2年生「シナモンが好きなのでシナモンの家で住みたい」

小学生およそ50人が、自分の思いや未来を自由に表現していきます。

小学3年生「夜空を思いついて、それだときれいだから楽しいかなっていう印象的な思いがあったので」

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?

小学3年生「お金持ちになりたいとか、評論家になりたいとか」

savaさん「自分の意見を素直に表現するっていうこともできること、みんながやっていい権利です」

自分の考えや意見を表現する、のびのび育つ。そして、社会に参加する。子どもたちは、絵を描くことを通してこうした権利について考えていました。

県・こども未来部こども若者政策課 主査 内間雅史さん「この条例の中で特に大切にしているのが、こども自身が自分の考えだとか意見をしっかり大人とか周りに伝えることができる、そういった権利を持っていることが大事だと考えています」

県は、7月31日に「こどもの権利条例」が施行されました。条例を作って終わりにしない、条例施行後、初めての普及イベントが開かれ、ワークショップで子どもたちが描いた巨大アートも展示されました。

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?

シンポジウムでは、法学者の谷口真由美さんが、子どもの権利と、どのように向き合うか話しました。

谷口真由美さん「権利とか人権って、ややこしそうだなって思っている方、すごく多いと思っているんですけど、全然ややこしくないです」「あなたがあなたのままで大切にされていいっていうことが人権で、すごく重要なことです。あなたが頑張ったらご褒美でもらえるものではありません」

子どもの声を聴き、受け止めることが大切だと訴えました。その後のクロストークでは、こどもの居場所を運営している事業者や中高校生などが登壇。「大人は何ができるのか」を話し合いました。

金城琉南さん「私の子ども時代、すごく尖っていて全然素直じゃなくて、よく先生に怒られてばかりの子ども時代でした」

このように語るのは、琉球大学に通う金城琉南さん。大学で貧困や不登校などをテーマに、子どもと若者をつなぐ活動をする金城さんは、幼少期の自身の経験について語りました。

金城琉南さん「私は母子家庭で、母親と一緒にいろんな家を転々として、一時期はホームレスをしていた経験もあります」「小学生のときに児童相談所に一時保護されて、中学生で思春期になると問題行動が多発で不登校になっていて、そのときはもう、今みたいに大学に行くなんて全然思っていませんでした」

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?

高校時代に、自分の未来を期待してくれる友人や先生に出会ったことが転機になったと話しました。

金城琉南さん「子どもは大人の言うことを聞いていればいいという、常に教えられるべき無知とか白紙の存在ではなくて」「声が届きにくい子どもたちの声もしっかり受け止められる社会を、みんなで作っていけたらいいなと思います」

参加者の声 中学3年生「大人が大切だと思っているのが、こどもからしたら嬉しかった」

母親「自己肯定感が低いまま人生を歩んできたなって、それを子どもに押し付けてきたなって反省することもあって」

こどもの権利条例が制定されてから1か月。子どもたちの小さなつぶやきや、発せられないSOSに耳を傾け、一人の人間としてその権利を守っていくこと。子どもも大人も共に学び考え、一緒に社会を作っていくことが今求められています。

県条例施行から1カ月「こどもの権利」って何?