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戦争による心の傷「戦争トラウマ」についてのシンポジウムが23日に那覇市で開かれ、精神科医や研究者などが意見を交わしました。このシンポジウムは戦後80年の企画として沖縄タイムス社などが主催したもので、当事者や精神科医、研究者などが多角的な視点で意見を交わしました。

この中で戦争に対する怒りや悲しみを暴力として、身近な人に向けた祖父の心の傷が、気づかないうちに子どもに伝わったと実態が伝えられました。幸喜さんは「自分が子どものときに受けた言葉というのは、自分の子育ての中で出てくる言葉なんだと強く感じた」と述べ、親から受けた怒りや苦しみを子どもに向けない子育てを意識して行動したことで「親へのわだかまりが解け心が癒されていった」と話しました。

また、沖縄大学教授の吉川麻衣子さんは、語り合いの場に参加した沖縄戦で軍属だった男性が「毎年4月~8月の深夜に息子に暴力をふるってしまう」と15年目に告白した事例を紹介していました。

登壇者たちは、当事者間や家族間で語りあうことが心の癒しに繋がっていくと強調していました。