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知事選「争点を歩く」です。多くの県民が、直面する問題のひとつに「交通渋滞」があります。13日投開票の県知事選挙の候補者も争点に挙げている「渋滞問題」の現状について考えます。

「午前8時13分 国道58号の南下車線です。車が列になって連なり、詰まっているのが分かります。車で混雑しているため、救急車も通りづらくなっています」

本島の幹線道路で、毎日繰り返される慢性的な「交通渋滞」

戦後、広大なアメリカ軍基地の影響で基地周辺に無秩序な市街地が形成されたうえ、広域道路網の整備の遅れや、急激な自動車の増加など、さまざまな要因が絡み合っているとされています。

県民「(渋滞は)もうイライラするしかないですね。地元と流通と観光が全部一緒の道なので、瀬長島前とか、そういうところは気になりますね。2000年に入ってからは確実に(渋滞があると)思いますね」

県民「余裕をもって出るために、早め早めに動かないといけない。そこはちょっと負担になっているんじゃないかなと思います。バスは 沖縄県は定時に来ないというのはあるあるですので、そこも踏まえると(通勤での利用は)難しいんじゃないかな」

県民「退勤時間とかになると国道58号が混んだりするので、そこは大変問題になっているかなと思います。予定に間に合わないとか、早く出ないといけないとか、そういったことで(行動が)縛られる」

長年、県民の多くを悩ませてきた交通渋滞。この状況について、一昨年、衝撃的な試算が発表されました。

【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通

沖縄総合事務局の試算によりますと、「人が自由に使える時間」である「可処分時間」が、渋滞によって県全体で年間およそ8145万時間、県民1人あたり「55時間分」も奪われていると算出されました。

当時の給与で換算すると、実に年間1455億円もの損失にのぼります。

また、県によりますと、朝夕の混雑時における那覇市内の車の平均速度は、時速10.8キロ。これは東京23区の14.6キロ、大阪市の15.3キロと比べても遅く、全国平均の32キロに対しては、およそ3分の1の速度しか出ません。

沖縄の交通渋滞は、実際にどれほどのものなのか。検証のため、実際に車を走らせました。渋滞区間に指定されている北谷町の国体道路入口付近から那覇市の明治橋交差点まで、国道58号を時速50キロで走行します。ラッシュを避けた午前11時ごろであれば、信号待ち以外で止まることはほぼなく、50分ほどで到着します。

一方、朝の通勤ラッシュ帯である午前7時半に那覇へ向けて出発すると――

濱元記者「宜野湾市の真志喜付近です。目の前の信号は青なのですが、車が詰まって進まなくなってしまいました」

長い車列の影響で、わずかに進んではすぐに停止を繰り返します。

濱元記者「浦添市牧港付近です。宜野湾市から渋滞にはまり、2キロほど進んできたのですが、ここまで30分ほどかかっています」

【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通

通常なら5分ほどの距離に30分以上を要し、那覇に到着したのは午前9時。空いている時間帯の「倍」近くとなる、1時間半がかかりました。交通工学が専門の琉球大学・神谷大介教授は、沖縄の慢性的な渋滞について、「公共交通機関の利用が浸透していない悪循環」を指摘します。

神谷教授「(県内で)車がどんどん増えていて、渋滞がひどくなってきて、車を持てることによってバスを使わなくなって、バスが減便していって定時性が下がっていって、さらに使われなくなって、どんどん悪い方向になってきたのかなというふうに思います」

また、神谷教授は行政は渋滞解消のために鉄軌道などとも並行しながら、バスの運転手不足や公共交通の利便性向上など目の前の課題に取り組むべきだとしています。

【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通

神谷教授「(鉄軌道が)5年後に自走できるかていうとなかなかしんどい技術でもある、なので今あることで、皆さんが協力したなかで例えば免許返納しても安心して暮らせる社会ってどうやって作っていくのという、2つの長期的な目標と、今何ができるというというところの両方が必要だと思います」

車社会の利便性の裏で、失われ続ける県民の時間。これからの沖縄の未来を左右する、待ったなしの議論が必要です。

ここから濱元記者とお伝えします。実際に渋滞を体験されてみてどうでしたか。

濱元記者「私は、読谷村の出身で、これまでも、朝の混雑は日々体験していたのですが、改めて、本当に激しい渋滞で、少し進んでは止まるの繰り返しで、とてもストレスを感じました。北谷町から那覇までは1時間半ほどかかり、朝に予定があるときはとても焦ってしまうのではないかと感じました。また、通勤ラッシュの時間帯、平日の午前7時半から8時にかけて上空から見てみると、国道58号だけでなく 国道330号も混雑していて、各地で渋滞が発生していることも分かりました」

解消に向けて どのような対策が必要なのでしょうか。

濱元記者「琉球大学・神谷教授は、通勤・通学で公共交通を利用する習慣がなく、車移動を前提としている県民が多いことも、渋滞の要因ではないかと指摘しています。子どものころからバスを利用するなど、公共交通について教育する必要があると話していました。さらに、バスの運転手不足への対策をして減便や路線の廃止を防ぐこともいま求められているとしています。また、具体的な渋滞緩和策としてバスレーン区間を伸ばして、ひとりの運転手でより多くの人を運べる連節バスの導入が実現可能性が高いのではないかと話していました」

今回の特集をQABのウェブサイトで公開する際に、交通渋滞の対策について、各候補のアンケートの回答も同時に掲載しますのでぜひご覧ください。

【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通 【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通 【各候補者回答も紹介】争点を歩く(4) 慢性的な渋滞と公共交通