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2022年、那覇市の認可外保育園で生後3カ月の乳児が死亡した事件で、元園長に対する保護責任者遺棄容疑を不起訴処分にした検察の判断を不服だとして両親が起訴を求め、2026年5月11日、検察審査会に申し立てました。

この事件は2022年7月、那覇市の認可外保育園でうつぶせ寝をさせられていた当時生後3カ月の涼空ちゃんが心肺停止になり、その後死亡したものです。

那覇地検は2026年3月、保護責任者遺棄の容疑で書類送致された当時の園長を不起訴処分にしました。この処分を不服だとして両親は起訴を求めて2026年5月11日、検察審査会に申し立てを行いました。

会見で両親の代理人は、元園長は乳児を保護する責任のある者であるが、ほったらかしにしていたと言っても過言ではないと主張。また、不詳とされた死因について見解を求めた和歌山県医科大学の法医学者は、うつぶせ寝によって口と鼻がふさがれ窒息死に至ったとの意見を述べたと説明しました。

会見に出席した母親は「実際は危険なうつぶせ寝を意図的にさせて呼吸チェックをせず、私がお迎えに行った後も慌てる様子もなく救急車すらよんでもらえなかった、この出来事をどう受け止めていいか心の置き所がわからないままずっと過ごしてきました」と話しました。

また父親は「必ず起訴になって刑事処罰を受けてもらいたいと思っております」と話しました。

遺族は、これまでオンラインや街頭で署名活動を行っていて、3万6000人以上の署名が集まっています。

解説・検察審査会とは?

ここからは山本記者とお伝えします。山本さん、今回両親が申し立てをしていた「検察審査会」というのはどういうものなのですか?

那覇市の認可外保育園で乳児死亡 遺族が起訴を求め検察審査会に申し立て

山本記者「はい。検察審査会は1948年から始まり、選挙権がある国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が、検察官が不起訴処分にした事件・事故について「不服申立て」のあるものについて審査します。今回の事案で行くと、保護責任者遺棄の容疑で送致された元園長を不起訴処分にした検察の判断を不服だとして、両親が申し立てています」

審査は今後、どのような流れで進んでいくのでしょうか。

那覇市の認可外保育園で乳児死亡 遺族が起訴を求め検察審査会に申し立て

山本記者「審査員らによる会議は、非公開で開催します。会議の中では、取り寄せた捜査記録から検察官がどのように判断をしたかについて調べ、申立人が提出した資料などを踏まえ不起訴処分が正しかったかどうかを検討します。そのなかで出てくる結論『議決』と呼ばれるのですが、それが 『起訴相当』『不起訴不当』『不起訴相当』の3つになります」

那覇市の認可外保育園で乳児死亡 遺族が起訴を求め検察審査会に申し立て

山本記者「審査員の8人以上が『検察官の不起訴処分が間違っている、起訴すべき』と判断すると「起訴相当」になります。審査員の過半数が『もっと詳しく捜査した上で起訴・不起訴の処分をすべき』と判断したら『不起訴不当』の議決になり、いずれも検察に事件が戻され、再捜査が始まります」

那覇市の認可外保育園で乳児死亡 遺族が起訴を求め検察審査会に申し立て

山本記者「一方で、検察の判断は『妥当』だと結論が出ると『不起訴相当』となり、刑事事件としてはここまでで終結となります」

この検察審査会という制度、一体どれくらいの数が再捜査されているのでしょうか。

那覇市の認可外保育園で乳児死亡 遺族が起訴を求め検察審査会に申し立て

山本記者「最高裁判所が出している統計では、去年1年間で議決された件数は2220件。そのうち「起訴相当」は2件「不起訴不当」は123件「不起訴相当」は1884件で、再捜査となったのは全体のおよそ5.6%となっています」

申し立てをしてから議決まで、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。

山本記者「一般的に3か月から半年だとされています。今回、両親は署名活動を行っていて、議決前までに集まった署名を検察審査会に届ける予定です。また、きょうの会見で両親が、これからの保育がより良い方向になるように他人事ではなく、社会の問題としてこの事案を見届けてほしいと話していました」

以上、山本記者とお伝えしました。