琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄(みなと・かずお)さんです。
湊 和雄さん「宜しくお願いします」
キャ)今回のテーマは「春の異変・甲虫の世界」です!
湊 和雄さん「今春になってから数回、甲虫たちのことを紹介してきましたが、既にシーズンは終了したようです。しかし、今年は例年のような状況に至らず、ピークらしいピークを感じないまま終わってしまったようです」
どんな映像なんでしょうか、VTRどうぞ!
湊 和雄さん「度々、私の春の甲虫で最も好きな種類として登場したオキナワトラフハナムグリ。今シーズンはわずか9匹にしか出遭えませんでした。一桁だったのは初めてのことです。過去10年間で合計292匹」
「つまり平均して30匹前後に遭遇できていたのです。最も多い2018年には61匹にも。最も少ない2022年でも15匹でした。また、9匹すべて褐色型の雄で、雌や黒色型には遭えませんでした」
湊 和雄さん「それ以外の甲虫はどうだったかと言うと、このアマミオアオジョウカイは毎年遭えるとは限らない種類ですが、こうやって逢うことが出来ました」「さらにやんばる固有種のオキナワアオジョウカイも撮影することが出来ました。しかし、アマミアオジョウカイもオキナワアオジョウカイも、わずか1匹ずつでした。種類数は例年並みでも、数が少ないのです」
湊 和雄さん「では、春のもうひとつの主役、赤い甲虫たち、有毒種とそれに擬態する無毒種たちはどうだったでしょうか?まず有毒のベニボタルのグループの代表、オオシマカクムネベニボタルです。次にやはり有毒のオキナワクシヒゲベニボタル。どういう訳か、単独よりもペアで見ることが多かったのが印象的でした」
湊 和雄さん「そして、第3のベニボタルですが、和名が未だありません。しかし、この3種類のベニボタルたちは、今年はどれも数が少ない状況でした。次がその有毒のベニボタルに擬態している無毒のグループ。これもまた未だ和名のないアカハネムシの仲間。これが3月は結構多かったのです」
湊 和雄さん「そしてこれも無毒のグループで擬態しているほうのクニヨシホソクシコメツキ。4月には最も多い赤い甲虫でした。アカハネムシもこのコメツキムシも細長い体型で鮮やかな赤い翅(はね)、黒い頭部と胸部。ベニボタルにとても似ていると思いませんか」
湊 和雄さん「これは真後ろから見ると偽の頭に見えるヨツメオサゾウムシ。これがベニボタル類に擬態しているかは微妙な姿ですが、やはり数は多く見られました。これは真後ろから見ると偽の頭に見えるヨツメオサゾウムシ。これがベニボタル類に擬態しているかは微妙な姿ですが、やはり数は多く見られました」
湊 和雄さん「ヨツメオサゾウムシは必ずと言ってよいほど、アオノクマタケランの葉の上にいます。そして本当の頭の先にある長い口で葉の表面を齧っているです。アオノクマタケランは森のゲットウのような存在で、とても近い仲間なのです。
湊 和雄さん「さて、今春は有毒のベニボタル3種類がとても少なく、無毒のアカハネムシの仲間、クニヨシホソクシコメツキ、ヨツメオサゾウムシのほうが多い状況でした。実はこれは非常に困ったというか、異常な状態なのです。
湊 和雄さん「それは、多くの有毒の赤い甲虫がいて、そこによく似た姿の無毒の甲虫が混ざっていて、初めて擬態が成り立つのです。そうでないと鳥に代表される天敵(捕食者)が、この目立つ姿の甲虫を有毒で食べられないと学習しなくなってしまう可能性があります。この姿の甲虫は美味しいのだと・・・長い年月を経て進化してきた姿が無意味になってしまいます」
湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました!さて今日は湊さんから視聴者のみなさんに素敵なプレゼントがあります!湊さん特製のヤンバルクイナの缶バッジを10名様にプレゼントします。
締切は来週の木曜日まで、応募はQABのウェブサイトからお願いします!(湊さんへの激励メッセージを添えてどうぞ!)湊さん、素敵なプレゼントありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。
湊さん特製「ヤンバルクイナ缶バッジ」を10名様にプレゼント 締め切り:5月7日(木)
