続いては「復興のキセキ」津田アナウンサーがお伝えします。
津田アナウンサー「今年の秋に完成予定の首里城正殿。その完成にあわせて周辺では様々な施設の整備も行われています。その整備の様子、地域の取り組みにスポットをあてます。
津田アナウンサー「はい津田です、首里・龍潭にやってきました。まずはご覧ください、奥に見える首里城正殿、まだ復元工事の途中ですが、とても絵になりますよね。実は今、この秋の正殿完成に向けて、首里城周辺にある史跡の整備も着々と進められているんです。ここからは県の担当者の方にご案内いただきます。よろしくお願いします」
入部さん「入部です、よろしくお願いします」
津田アナウンサー「まずは入部さん、私たちがいまいるこの辺りの工事、これも何かの復元に関係あるんですか?」
入部さん「はい、沖縄県が進めている歴史まちづくりのひとつ、かつて龍潭に架けられていた『世持橋(ゆむちばし)』の高欄の復元工事です。すでに道路があるので橋そのものの復元ではないのですが、新たなビュースポットとして期待しています。実はアーチ部分は現存していて、龍潭が増水した際には、この橋の下から排水される仕組みになっているんですよ」
津田アナウンサー「なるほど、私たちはいまその橋の上にいて、そして今でも重要な役割を担っているんですね」
この「世持橋(ゆむちばし)」は1661年に架設されましたが、沖縄戦によって高欄部分が破壊、復元にあたっては首里城未来基金を活用し、有識者の監修のもと、当時の写真や県立博物館所蔵の遺物などから製作されました。羽目板の彫刻は県立芸大が担うなど、戦後80年あまりを経て、ふたたびその姿が蘇えります」
津田アナウンサー「ところで入部さん、向こう岸の方で整備が行われていますねあれは何でしょう」
入部さん「はい、あちらは『松崎馬場』で、令和6年度から整備が進められています。近くまで行ってみましょう」
「松崎馬場(まつざきばば)」は龍潭の東側に位置し、現在、整備が進められている場所なのですが、
津田アナウンサー「ところで松崎馬場ってどのような場所だったんですか?」
入部さん「松崎馬場は、龍潭が完成した年にはある程度の整地が行われていたと考えられており、1700年頃の様子を描いた「首里古地図」によると、龍潭のほとりに広がる松林や、松林の横を蛇行しながら南北に走る『宿道』であったと考えられております。また、冊封使を歓待するために開催された『重陽の宴』とよばれる祝宴の際には、龍潭に浮かべた爬龍船を観覧する広場としても使われていました」
津田アナウンサー「なるほど、ここが龍潭を眺める特等席だったんですね」
入部さん「そうですね、今回の整備で首里城公園からあちらに見える中城御殿(なかぐしくうどぅん)までアクセスできる、バリアフリー園路になります。併せて広場も整備しますので、龍潭をゆっくり楽しめるようなつくりになるかと思います」
津田アナウンサー「正殿を訪れたあとは龍潭のほとりでのんびり、これは嬉しいですね。中城御殿(なかぐしくうどぅん)の工事もかなり進んでいるようですね」
入部さん「はい、そちらもご案内しましょう」
世持橋や松崎馬場からほど近い場所にあるのが「中城御殿(なかぐしくうどぅん)」跡。中城御殿とは琉球王国の世継ぎが住んでいたとされる屋敷で、整備にあたっては当時の写真や図面をもとに、特徴的な瓦屋根の形状や外観の再現を目指しています」
入部さん「まだ工事で中には入れませんが、完成後は琉球の歴史・文化を体験できる学習施設として、また首里のまちの拠点施設として整備を進めているところです。そして最終的には国の史跡指定も目指しています」
津田アナウンサー「首里城正殿の完成はもちろんですが、その周辺の整備も着々と進んでいるんですね。完成が本当に待ち遠しいです」
この後は、地元首里に住む人々が中心になって行っている取り組みを紹介します。
津田アナ、復元が進む首里城正殿周辺の整備状況を見てきましたが、ここからは「首里まちづくり研究会」のいのうえさんに地域の取り組みを紹介してもらいます。
津田アナウンサー「この秋の正殿完成に向けて、地域全体が盛り上がっていると思いますが、首里まちづくり研究会のみなさんは、主にどのような活動をしているんですか?」
いのうえさん「この首里のエリアの景観、街づくりに関する活動を主にやっています。交通問題が首里の課題としてありまして観光車両と地域のクルマによる交通渋滞がおきていたそれを、直行直帰型観光から首里城周辺を回ってもらう周遊型の観光にどうにか変えていけないかと、交通問題の解消と周遊はセットで解決すべきというのが私たちの考え方、それに基づいた活動を展開しています」
津田アナウンサー「地域に根差した活動をしているんですね」
いのうえさん「そうですね、私たちも活動の一環でサポートしているイベントがありまして「首里の朝市」というんですがご存じですか?」
津田アナウンサー「はい、聞いたことがあります」
いのうえさん「その実行委員の方が近くでお店を開いているんです、ちょっと行ってみましょう」
訪れたのは、龍潭通りからつながる小路にたたずむ「山下珈琲店」隠れ家的でレトロな空間が出迎えてくれます。店を営むのは山下さんご夫妻、自慢はこの自家焙煎のコーヒー!
山下珈琲店 店内
津田アナウンサー「ステキな店内で落ち着きますね、コーヒーの香りも漂ってきます。そして目の前にはとても美味しそうな商品が並んでいますが、山下さん、こちらは?」
山下さん「自家製プリンと自家製のバスクケーキで、主人が手作りしています。アイスコーヒーの豆は首里城ブレンド、首里城の復興を祈願して主人が作ったブレンドです」
津田アナウンサー「ではいただきます。とてもしっとりしていてチーズをすごく感じます」
いのうえさん「プリンもいただきます。タマゴの感じ、素材が生きている」
山下さん「一番人気の商品になっています」
津田アナウンサー「山下さん、先月開催された『首里の朝市』では、主要メンバーとして活動されていたと伺っていますが、正殿完成に向けて盛り上がりはいかがですか?」
山下さん「そうですね、首里の朝市も第6回目を開催しまして約8,000人ほどのお客様に来ていただいて賑わっていました。私自身も首里が地元でお店もこちらで開いて地域のみなさんに育ててもらったという思いもあって大人になったら恩返したいという思いもあったのでこうやって同じ商売をしているみおなさんと首里の地域を盛り上げていこうと、私自身もうれしいです
津田アナウンサー「地域の方々の、地元を盛り上げたいという思いが詰まっているんですね」
いのうえさん「わたしたちも一緒になって盛り上げていきたいと思います」
山下さん「そうですね、盛り上げていきましょう!」
山下珈琲店を後にしたふたりは、首里城を臨む龍潭へ
津田アナウンサー「今回、地域の取り組みをお聞きして、みなさんの思いを感じられたような気がします」
いのうえさん「そうですね、施設の面ではいろいろと整備が進んでいるんですが、わたしたち、まちづくり団体としては、地域の暮らしがあってこその観光客を受け入れることができることだと思うので、住民の暮らしは大事にしなければいけないと考えています」
津田アナウンサー「地域のまちづくりと周辺施設の充実、この2つの両輪が合わさることで、これからの盛り上がりがますます楽しみになってきました。いのうえさん、ご案内ありがとうございました」
いのうえさん「ありがとうございました」
首里城だけでなく、その周辺も盛り上がってきているんですね、取材してどうでしたか?
津田アナウンサー「昔から残る首里の魅力を大切にして、その魅力を多くの人に伝えていきたいという地域の方の地元愛を感じました」
正殿の完成を控えた首里の街の雰囲気はどうでしたか?
津田アナウンサー「交通問題の解消に向けて多くの場所で工事が進められていました。観光の面では今は首里城だけを訪れる人が多いようですが、周辺も散策する人が増えることを地元の方も願っているようでした」
これからますますの盛り上がりに期待したいですね。ここまで「復興のキセキ」でした。
