まずは高校バスケです。全国大会・ウインターカップの出場をかけた全沖縄高校バスケットボール選手権大会。女子・男子の決勝戦がきのう行われました。集大成の大会となる3年生を中心に、選手たちの思いのこもったプレーが光りました。
夢のウインターカップまであとひとつ。決戦の舞台は沖縄サントリーアリーナ。女子は初優勝をを目指す小禄。
おととしまで3年連続で決勝に進むもあと一歩届かず、去年は準決勝敗退に終わり、悔しさを味わってきました。

小禄OG 秋吉寛那さん「去年は準決勝で逆転負けをしてしまった。それを一緒に経験してきた後輩たちなので、しっかり取り返してほしい」
対するは、沖縄高校バスケ界初の女子留学生、ボリーアイダラソウルを擁する石川。言語や文化の違いを乗り越えててきた仲間たちと大会3連覇を目指した一戦でした。
実況「女子決勝が今、ティップオフです」

試合開始早々、石川が本領を発揮。ラソウルの連続得点。一方の小禄は、留学生とマッチアップする池城美緒、生盛みくが得点。ディフェンスでも強いプレッシャーをかけ、石川のオフェンスに食らいつきます。
しかし第2Q、石川の勢いは止まらず。2年生・渡口光ら下級生の活躍もあり24点リードで前半を終えます。
大きく点差を広げられた小禄。それでもこれが最後の大会となる3年生が意地を見せます。息の合ったパスから エース島袋綾音が3Pを2本決める活躍を見せます。

小禄 島袋綾音選手「自分にチームメイトが託してくれたので。絶対決めるという気持ちで打った」
石川は今大会出場機会が少なかった3年生も出場し、コート内は全員3年生に。玉城咲彩は3Pを2本。池原凛香が連続得点。そして大黒柱・ラソウルはこの試合30得点の大活躍。

最後まで高いオフェンスが光った石川が大会3連覇を果たしました!

石川3年 池宮城沙樹選手「3連覇というプレッシャーがあったが、大黒柱がいるのでそこにボールを入れながら、みんなで点を取りに行こうと話してこのような勝ちになった。全国ベスト4以上に入ります!」

続く男子決勝は、初のウインターカップ出場を狙う沖縄水産と、3年連続の決勝進出・興南が激突しました。ここまで2大会連続で準優勝とこの舞台で悔し涙を飲み、3度目の正直を誓う興南が主導権を握ります。
実況「ボースハンドダンク!」
ナイジェリアからの留学生・オモメジが203cmの高さで圧倒します
実況「ここに飛び込んでくる!1人で制しました!」

興南が第1Q、10点のリードを奪います。一方、1月の小橋川杯で初優勝。県高校総体では57年ぶりの優勝を果たすなど新たな歴史を刻んできた沖縄水産も、巻き返します。
続く第2Qは、エース・金城都馬(とうま)。
実況「右45度、スウィッシュで決めていきます!」「ここでワイドオープンを作った。金城都馬2本目!」
沖水が一気に流れを奪い返し、その差はわずか1点となり前半を終えます。

追い上げを許した興南。迎えた後半では、この試合、2年生ながらスタートを任された幸地秀永琉(しゅえる)。
実況「もう打っていく!ディープ3だ!バンク3が来た!」「ここはキャプテン同士の取り合いで知念がボールを奪った!最後は後ろに託します!」
足の靱帯断裂や骨折など、ケガに苦しみ続けた興南のキャプテン・知念龍輝。

興南 知念龍輝主将「自分はキャプテンなんですけど(今までけがで)プレーで引っ張ることができなかったので今回は自分がチームを勝たせるんだという思いで」
自分はキャプテンなんですけど(今までけがで)プレーで引っ張ることができなかったので今回は自分がチームを勝たせるんだという思いで」
終盤で流れを引き寄せたのは興南。この2年間、届かなかったウインターカップへ力強く突き進みます。
実況「スピンムーブ!フォローに入ってエンドワン!」「ダンクを叩き込んだ!」
そして…。

実況「残り2秒、1秒。試合終了のブザー!勝ったのは興南高校!ウインターカップ出場をつかみ取りました!」

興南 知念龍輝主将「自分たちは1年・2年の時と3年連続で(決勝に)来ているんですけど、3度目の正直で最後に勝ててよかったです」
雪辱を果たした興南は2017年以来8年ぶりの優勝。県内最多となる14回目のウインターカップ出場です
一方、敗れた沖縄水産。

沖縄水産 高吉伊吹希主将「こういう結果になってしまって悔しいですけど、自分たちが今までやってきたことは誇りに思っていますし、今まで一緒にやってきた仲間には感謝しかないです」
悔しそうな表情を見せる3年生の中に、この舞台に特別な思いを抱いていた選手がいました。
沖水の3年生・新城来斗選手。1年の秋、練習試合でルーズボールに飛び込んだ際、相手選手と激しく接触し脾臓破裂という大けがを負いました。
一時は選手生命も危ぶまれた中で何とかコートに戻ることはできましたが、接触プレーへの恐怖心から、体が動きませんでした。

沖縄水産 新城来斗選手「(同級生は)お前ならもっとやれるし、一緒に県大会で優勝して全国大会にいこうと言ってくれて、そこで自分もめげずに頑張ってこられました。先生からはまたここからゆっくりでいいから、一緒に頑張っていこうと言われました」
周りの支えのおかげで、コートに立てた決勝の舞台。恐怖心を振り払った新城選手はルーズボールへダイブ。さらに体を張ったリバウンドも。
仲間と誓った優勝こそなりませんでしたが、仲間とともに高校バスケを最後までやり切りました。

沖縄水産 新城来斗選手「この舞台に立ててバスケを続けてきてよかったと思いますし、またこれからのバスケ人生頑張っていきたいと思います」
勝ったチーム、負けたチームどちらにもドラマがあった決勝戦でした。優勝した女子・石川と男子・興南は12月23日から試合が始まる全国大会、ウインターカップに県代表として出場します。