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琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊 和雄さんです。

湊 和雄さん「宜しくお願いします」

今回のテーマは「小さなチョウのスゴ技」です。

湊 和雄さん「アゲハチョウやマダラチョウなど、大きなチョウは、これまで何度も紹介してきました。今回は小さなチョウの代表のシジミチョウの世界を紹介しましょう」

小さなチョウが超スゴいんですね!?VTRご覧ください!!

湊 和雄さん「沖縄のチョウでも珍しい緑色の翅を持つイワカワシジミ。今回注目して欲しいのは後翅の先端部。黒い紋と糸のような尾が見えますね。これは眼状紋(がんじょうもん)と尾状突起(びじょうとっき)と呼ばる部分で、偽の眼と触角がセットで偽の頭だと考えられています」

リュウキュウの自然 小さなチョウのスゴ技

「これは鳥などの天敵に本当の頭とは反対向きの場所に頭があると思わせて、予想とは逆方向に飛び立って捕まらないようにするためのトリックだと考えられています。本当の触角は動かさず、偽の触角の尾状突起の方を盛んに動かして注意を引きます」「アップで見てみましょう。黒い偽の眼の裏側の部分にも、また異なった目玉模様がありますね」

とても凝った構造ですね~

リュウキュウの自然 小さなチョウのスゴ技

湊 和雄さん「盛んに偽の触角(尾状突起)を動かしますが、尾状突起を動かす筋肉が翅にあるわけではありません。翅を擦り合わせると動く仕組みになっているようです」「次はルリウラナミシジミ。やはり偽の眼と触角を持っていますね。そして時々、和名に使われている瑠璃色が見えます」「そして、このシーン、クワズイモの葉の上の白い部分、これは鳥の糞なのです。そこに3匹のルリウラナミシジミ。何をしているかと言うと、これは餌なのです」

リュウキュウの自然 小さなチョウのスゴ技

「アップで見てましょう。細長いストローのような口を伸ばしていますね。チョウの口はストローのような構造で液状の餌しか吸えません。しかし、この鳥の糞は乾いていて、吸えるような状態ではありません。」

「さて、そこで驚きの作戦です。尾の先端から液体を出し、それで糞を溶かして吸うのです。これを『吸い戻し行動』と言います。そのおこぼれを貰おうと、たくさんのハエが集まっていますね。ハイエナのようです」「液体を出す瞬間は見えませんが、尾の先端を下に向けて曲げているのは分かります」

「実は、この吸い戻し行動は、セセリチョウの仲間とタテハチョウの仲間の一部で知られているものです(シジミチョウでは珍しい)。これはクロボシセセリ、やはり、尾の先を下に向けて曲げていますね。このクロボシセセリでは、尾の先から水分を出す瞬間が写っています。一瞬で分かり難いのですが、繰り返して見てみましょう、今です!」

リュウキュウの自然 小さなチョウのスゴ技

わかりました~!

湊 和雄さん「もう1度出しますよ、ホラ!」「セセリチョウもシジミチョウに並んで小さなチョウのグループですが、小さなチョウたちがこんな行動をしているなんてビックリですね」

湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました。さて、リュウキュウの自然は(いま第1第3金曜日に放送していますが)来週から特別編!4週に亘って水曜日に放送があります!来週から水曜日です、お楽しみに!以上、リュウキュウの自然でした。