著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

今週は動物愛護週間です。こちらのグラフをご覧ください。1996年以降の、沖縄県での犬や猫の殺処分数のグラフです。年々殺処分数は減っていることがわかります。

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

そして2023年度と2024年度に関しては「譲渡適性のある犬の殺処分数は“ゼロ”であった」と県が発表しました。過去には全国で最悪といわれた殺処分数。確かに「ゼロ」というのは良いことなのかもしれませんが、その背景には様々な人たちの努力があり、単純に喜んでばかりもいられない現状がありました。

動物愛護管理センター 宮城国太郎さん「新しい飼い主さんが見つからなかったわんちゃんを最終的に処分する時のボタンですね。こういう処分の日、可哀想な日が一日でもなくなるようにどうしたらいいかを毎回押しながら考えてはいます」

9年前の2016年にQABで放送したものです。「ボタン」とは、保護収容されたものの新たな飼い主に出会えなかった犬や猫を殺処分するためのガス室のボタン。

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

かつて全国でも最悪、といわれた沖縄の殺処分数。しかし2023年と2024年には「譲渡適性のある個体の殺処分数がゼロであった」と県が発表しました。

名護市の「なごアグリパーク」では定期的に譲渡会が開催されています。この日も多くの人が訪れ、保護犬たちと触れ合い、犬たちは生涯にわたって生活を共にする「ずっとの家族」との出会いを待っていました。 

名護在住の男性「11年くらい(飼っていた)。(D:それは寂しい)そうですね、いつも帰って来ると迎えてくれたもんだから」

名護市に住んでいるという男性が熱心に犬たちを見ていました。

名護在住の男性「(D:良い縁があればお迎えしたい?)そうですね、はい」

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

うるま市在住親子 モティ君「(D:犬が好きなの?)ウン(D:今もいるの?)ウウン」パパ「3年くらい前に死んでしまって。(子どもにも)兄弟的な存在な子がいればなと」ママ「私が犬がいない生活が耐えられなくて」モティ君「(D:保護犬って知ってる?)知らない!」ママ「おうちさがしてる子たちだよ。モティの弟か妹になるわんこちゃんさがしてるんだよ」

糸満市から来た家族は、ことし譲渡会で保護犬の「海」と出会い、ずっとの家族になりました。

糸満在住の里親になった女性「前の犬が死んで、その後に1年ならないくらいで犬ほしいなってなって、色々な譲渡会まわって、海に会った。この子が近づいてくれた時に、めっちゃかわいいと思って、その後からずっと気になって」

預かりボランティアをしている米澤さんは、半年ほど自宅で自分の犬とともに愛情深く海の世話をしていました。

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

米澤朋帆さん「正直最初本当に寂しくて1週間くらい毎日顔見ながら泣いてたんですけど。今ではこんなママ、ママみたいな甘えてる姿見てると、ああ良かったな~と思って幸せそうにしてくれているので嬉しいです。海を幸せにしてくれた上に活動をこうやって支えてもらっている、みたいなのがあるので、これからも頑張って里親さんに繋げていこうみたいな気持ちに毎回させてもらえます」

「殺処分ゼロ」の背景には県による啓蒙活動や譲渡の推進があったことは言うまでもありませんが、県内に多く存在する「保護団体」の努力が大きく関わっています。 

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

NPO法人is(アイズ)松尾 真弘さん「立ち上げた当初に比べると大盛況といえる姿ではあるんですけど、目指す姿とはまだまだかけ離れているかな。沖縄だけじゃない人たちがたくさん手を加えてくれて、助けてくれて(殺処分)ゼロが成り立っているので、ゼロだからやったーっていう環境ではまったくないと正直沖縄の現状で」

犬の保護団体として活動するNPO法人「is(アイズ)」の松尾さんは2022年に沖縄に移住、同時に団体を立ち上げこれまで約60匹の犬を里親に繋げてきました。 不幸な犬がいない、犬と人が幸せな未来。保護犬という言葉がなくなる、保護団体が必要ない未来。そんな日を実現させるために活動しています。

NPO法人is(アイズ)松尾 真弘さん「保護(犬)というワードが広がってきているからこそ広がり方が。可愛そうな犬とか、傷だらけの犬、トラウマのある犬、噛む犬、イコール保護犬というのも正直ある」

県内で初めて犬と猫の生体販売をやめたペットショップ「ペットボックス」。現在はペット関連のフードやグッズの販売、そして保護団体の支援を行っています。

ペットボックス北谷店 西本政高店長「犬猫を売りながら同時に譲渡会やってたんですけど、売ってるし、譲渡会やるって反している部分があったので代表がじゃあもう(販売を)やめようと。殺処分される可哀相というのは絶対止めないといけない。ただ、じゃあ殺処分されなくなって飼い主さんにもらわれた、もらわれたあと、その子たちは幸せになっているのか?」

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

ペットボックス北谷店 西本政高店長「ものの幸せ、食の幸せ、というのがちゃんとこの子たちに届けられているのか、それを届けるというのが僕たちの仕事だと思って。お迎えの仕方が色々な多様性がある、その中で(保護犬に)目を向けてもらえたらなと思っています」

次のステップ、課題も多くあると考えられています。

NPO法人is(アイズ)松尾 真弘さん「保護犬自体を迎えるということは普通になってきているんですけど、そもそも保護犬を知らない人たちというのがあまりにも多すぎる、というのが私の感覚。保護犬を知ってほしい。保護活動をしている人たちがいるんだ、捨てられた犬がいるんだ、(犬を)捨てているのもこれ(保護犬)が生まれているのも人の手なので」

ペットボックス北谷店 西本政高店長「生まれてきた命は同じなので、それを最後まで捨てずにちゃんと幸せに飼うというのは一番の目的、動物愛護週間の目的というのは最終的にはペットと人の共生なので、共生をするならお互い幸せになるというのが最終条件だと思っています。自分たちが幸せで動物も幸せだったらみんな幸せです」

動物愛護週間「殺処分ゼロ」を考える

「動物愛護週間」とはいえ、この期間だけではなく、私たちは常に動物の命を軽んじないよう常に責任を持たねばなりません。is(アイズ)では、これからのために、一緒に活動したい人大募集しているとのことです。保護犬の一時預かり、譲渡会、看取りのボランティア、他にも興味ある人は是非。