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2025年に入庁した県職員を対象に沖縄戦当時、行政機能があった那覇市の壕を訪ね戦争の実相を学ぶ研修会が行われました。

研修会に参加したのは、2025年度採用され県庁職員や参加を希望した職員の24人で、那覇市の識名霊園内にある「シッポウジヌガマ」と呼ばれる壕は、沖縄戦当時、島田叡知事や荒井退造警察部長が業務を続けたことから「県庁・警察部壕」と呼ばれています。

参加者は、壕の管理をする繁多川公民館の館長と語り部活動をする柴田一郎さんの案内で壕の中へ入ります。柴田さんは、1945年4月末にこの壕で県内17の首長と4つの警察署長が集まり会議が開かれたことを説明し、そのとき伝えられた知事の訓示を紹介しました。

柴田一郎さん(81)は「この戦は必ず勝つと必勝の信念を燃やせと。敵がい心を高めなさい敵を見つけたら必ず撃ち殺せと、何よりも先に知事が市町村長に対してそのことを言っているんです」と話しました。

また、柴田さんは知事が戦況を知るためにおよそ1キロ離れた首里城の32軍司令部壕まで通っていたことや、食料増産・壕の増強などを指示していたことを話しました。

今年度採用された職員は「今、立派な庁舎で働いているんですけど、こういう壕で働いていた時代もあってちょっとびっくりです」と話しました。職員らは、戦争の記憶をどう伝えていくか向き合っていました。