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地域の治安を守る警察官や職員たちが「はじめの一歩」を踏み出す警察学校。巧妙な手口で増加傾向にあるサイバー犯罪に心を痛め、若者とともに入校を決意した53歳の男性を取材しました。

「敬礼」

先月5日、県警察学校で行われた入校式。この春、採用された72人が警察官や職員としての新たな一歩を踏み出しました。若い人たちの中に特別な思いでこの日を迎えたのはこの男性。53歳、警察職員として初任科で採用された新元信一(にいもと・しんいち)さんです。

IMAGINEおきなわ#63「53歳が警察学校に入校」

新元さんの前職は、ソフトウェアを開発する仕事に30年あまり勤めていました。警察職員を目指すきっかけそれは、「ニュースでサイバー犯罪が増えていることを知り、自分も何か力になりたい」という思いからでした。

新元信一さん「夢だったサイバー犯罪捜査官を目指して入校式を迎えられて非常に嬉しい」「まずは警察官や警察職員の「心」を身につけてこれからの職務に役立てていきたい」

「敬礼」「宜しくお願いします」「直れ」

IMAGINEおきなわ#63「53歳が警察学校に入校」

寮に暮らしながら警察職員に必要な心構えや基本知識を身につける警察学校。警察職員は座学が中心でカリキュラムが組まれ免許更新、道路使用許可などの各種窓口業務を始め情報セキュリティ管理などおよそ1か月間教養を学びます。

最終日に警察学校を訪れてみると心なしか頼もしい顔つきになった新元さんの姿が。厳しい授業の連続でしたが、学校を卒業するのはどこか寂しいそうです。

新元信一さん「たくさんの仲間に出会えて非常に楽しく過ごせている」「元気よく全力で挑戦する姿に自分も頑張ろうと強く思った」「今は喜びとともにワクワクした気持ちでいっぱい」「これからも同期とも教官とも連絡をとって自分の技術を磨いていければ」

IMAGINEおきなわ#63「53歳が警察学校に入校」

警察学校での暮らしを支えてくれたのは苦楽をともにしてきた同期たち。若い同期や教官たちにとっても新元さんは特別な存在だったようです。

県警察学校一般職初任課程29期生 仲西裕香総代「最年長ということもあって社会人経験もあって、いろんな経験をされているんでクラスでもよく働いて来た中でのエピソードをお話してくれてクラス全体をなごましてくれるそういう存在です」

県警察学校一般職初任課程29期生・川満樹生副総代「普段はものすごい知的好奇心旺盛といいますか授業中も積極的に話しますし同期のメンバーともお話するのが好きな方です。一番同期愛がすごいというのを感じます」「入寮日の初日なんですけど紙袋いっぱいにお菓子を持って来たんですけど本人はトレーナーに止められている、みんなに(お菓子を)配って結局ご自身が1つも食べてなかったので優しい方という印象です」

IMAGINEおきなわ#63「53歳が警察学校に入校」

屋比久彩教官「熱意があって毎日頑張っているなと思っていました。それから民間の経験者でもあるのでそこからみんなにアドバイスもしたりして話も上手なので学ぶところが多いな思いました」「今回卒業をする皆さんに対しては一番健康でそれぞれ専門的な知識をもった人たちなのでそれぞれの部署でしっかり自分の力を発揮して県民のために頑張っていってもらいたいと思います」

厳しい訓練に耐え抜いた一般職員初任科の卒業生たち。凛々しい顔つきで警察学校を巣立ちます。

県警察学校・仲本貴校長「ここで培ったことを今後にいかしてもらいたいと思います」

式が終わるとクラス担任の教官や在校生たちが花道をつくって卒業生の門出を祝います。

新元信一さん「今回の学校生活は本当に30年ぶりぐらいのできごとでしたので緊張したんですが、教官や同僚、同期みんなが心優しくてとても楽しく過ごすことができました」「早い時代の流れについていけるように警察システムの構築に全力で臨んでいきたいと思います」

IMAGINEおきなわ#63「53歳が警察学校に入校」

警察学校を卒業し情報管理科への配属が決まった新元さん。県民の安全・安心を守るためこれからも努力の日々が続きます。

新元さんは今回の挑戦について母や妻の支えがあったと話していました。