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今を生きる私たちが50年先、100年先の沖縄の未来を見ていく「IMAGINEおきなわ」です。沖縄はかつお節の消費量が日本一で毎日の暮らしに欠かせないものの一つです。後継者不足で長く続いてきた店が暖簾を下ろすことが多くなってきた中、一度なくなった「かつお節」の味と香りを復活させて市場を活性化させようと奮闘する若者がいます。

上原壮介さん『かつお節の一番の出汁を市場に広がらせ、本当にかつお節の香りのよさと、おいしさと、これを伝え削りたてかつお節の提供はもちろんですが、出汁のおいしさ、香りを伝えるためにも料理試食会とかで伝え重要なかつお節屋になりたい』

かつお節のことを夢中になって話す姿が印象的な上原壮介さんは、那覇の飲食店街「栄町市場」にある『はいさい食品』の3代目です。はいさい食品は創業66年の老舗です、家族総出で切り盛りしています。

二女 山里光恵さん「大きいのはいま切られているのはない、またおいでね、もう1回お正月までにもう1回」「ありがとうございます」「ありがとうねーバイバイ」

3代目として店に立ち続ける上原さんには大きな目標があります。それは、「かつお節」で市場に賑わいをもたらすことです。

那覇の中心地・安里、ひめゆり学徒隊で知られる県立第一高等女学校があった場所です。戦後の学校の跡地に店が立ち並び栄町市場ができました。社交街に囲まれた一角にある市場は、当時の真和志村の中心地として栄えていました。

#IMAGINEおきなわ vol.52 栄町市場に香りが復活

現在はというと、店の明かりが闇夜を照らす飲み屋街というイメージが強く、日中の市場はシャッターが閉ざされたままの空き店舗が目立ちます。

上原壮介さん『(栄町)市場に鰹節屋さんが1軒もなくなって、今ある、はいさい食品八百屋さんにお客さんが(鰹節)ないねっていって、来はじめて多くの方が(店に)きたのがきっかけですね、鰹節屋さんあったらいいのになっていう最初のきっかけはそんな感じかな』

3年前、栄町市場に1軒あったかつお節店はが店主が病気になり後を引きぐ人が見つからないまま廃業していましました。食べ歩きが趣味でかつお節と味噌で作る「かちゅーゆ」にハマったこと、かつお節を求める声が絶えなかったことが相まって上原さんは、栄町にかつお節店を復活させようと決心しました。

#IMAGINEおきなわ vol.52 栄町市場に香りが復活

上原壮介さん『やっぱりできるだけ早く行動したいなっていうのが僕自身ありました、あまりダラダラやっても思いも薄れそうとだなと思って』

上原さんには「かつお節」の師と仰ぐ人がいます。豊見城市にある島食品の富永建一(とみながけんいち)さんです。

島食品 豊見城市保栄茂

上原壮介さん『かつお節の良い悪いはどこで判断する』富永建一さん『魚って南の方で獲れる時と深い所で獲れる時とか時期が違う、船がどこ行くかで獲れる場所は変わる、やっぱりかつお節に向いているのは脂が少ない、脂が少ないってことは南方の方で獲れる魚を節にした方が』上原壮介さん『脂が少ない方が・・』富永建一さん『かつお節はね・・』

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かつお節に適した魚の見分け方やどんな木で燻すといいのかなどイロハを学んでいます。

島食品 富永建一代表『自分もこれぐらい若い時からやっているから、今の現状難しいんですよ、でもやりたいって誠意が見えたから頑張ってていう、残していきたい自分も残していきたい、こういうお店無くなっていっているのを分っているから』

富永さんは足繁く通う上原さんをまるで我が子のように聞かれたことは何でも教えています。そこには客の期待に応えられる確かなかつお節を扱えるようになってほしいという思いがあるからです。

島食品 富永建一代表『若い人たちにかつお節の良さを教えて残していかないと結局みんなできなくなるでしょ、かちゅーゆってあるでしょ、20代30代分からない人がほとんどなんですよ、でもあげたらこんなおいしいのがあるの、というそれを広めていけば多分若い人たちも(馴染んでいく)』

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上原壮介さん『本当にびっくりしました、うれしい気持ちではあります』『期待を背負っているみたいな感じはありました』

店の立ち上げに必要な資金はクラウドファンディングで賄いました。料理に欠かせない、香り際立つ「かつお節」を市場に復活させたいという上原さんの挑戦に200人近くの人から135万円を超える支援が集まりました。目標を35万円まで上回っています。

上原壮介さん『あらゆる支援してくれた応援してくれた人たちの顔とか浮かべると「やらなきゃな」そういう環境に自分自身できたのはすごいいいのかな』

糸数多美子さん『クラウドファンディングを知らないお客さんが直接(お金を)持ってくる人もいるわけ封筒に入れてそれもだいぶ大きいと思う』『(削り)機械を買うためには(クラファン)しないと出せないから良い考えではある、だけど(資金が)集まったというのも凄いと思う』

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山里光恵さん『意外と反響が大きくて、えっ、もしかしてできるのかなって自分たちも応援してみようかなって感じです』

上原寿雄さん『楽しみの方が大きい、不安も一応ありますけど楽しみですね』

待ちに待った念願の時がやってきました。

かつお節専門店「出汁ダシ」のプレオープンです。削りたての新鮮な香りと味が栄町に帰ってきました。

市場の人は 乾物屋おばあさん『栄町の活性化のためにも、今削るところがないですから、そこができたらお客さんも増えますから』『風邪ひいたり体調が悪い時はかちゅーゆ飲んで元気出ますから』

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肉屋さんは『(かつお節は)ないといけない物、豚の出汁骨だけでは物足りないかつお節入っての香りが全然違います』

ケーキ屋さん『昔からあるものってすごいいいものが多い、かつお節に関しても、私その時代に生まれてないから知らないじゃないですか、復活するというのは当時の文化とかを知りえる、いいきっかけになると思うのでめっちゃ素敵だと思います、めっちゃ応援しています』

上原一展さん『加工食品の事なので、私の方が大先輩でもあるので相談があれば受けたいと、それまでは僕は何も言うつもりはありません』

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父・一展(かずのぶ)さんに店を出す相談を一切しなかったといいます。でも前に進み続ける上原さんを信じて応援しています。

『失敗するも成功するも私が何も言わないでも自分で経験して、いろいろ試行錯誤しながらやっていけばいいのかな』

一展さんは新しい店でも代々受け継がれてきた相対売りを心がけてほしいといいます。客と顔を合わせてユンタクする相対売りが市場で長く店を続けるために欠かせないことだと考えています。

上原一展さん『いい時も悪い時もお客さんと話しをしながら、これはこうして作るんだよとか、そういう方向に持って行かないと恐らく生き残っていかないだろうなと、僕は思っています』

上原壮介さん『血がつながっているんでしょうねじいちゃんの時から、この環境で育ったのは大きかったのかな』『すごい物も品質も厚さもお客さんこだわっている、そこはしっかり声を聞いて需要のあるものを提供でいたらいいと思います』

まだスタート地点に立ったばかりですが、上原さんはすでに栄町に復活させたかったかつお節の香りを一人でも多くに伝え続け、ゆくゆくは海外に羽ばたくことも見据えています。

#IMAGINEおきなわ vol.52 栄町市場に香りが復活

上原壮介さん『ゆくゆくは少し大きくして、海外挑戦も出来ればと思っています』『かつお節の出汁でうどんとか日本の和食が世界で注目されているので、どこかの海外の土地とかでできたら面白そうだな』『僕ら世代より下の方々に(かつお節を)伝えられたらいい、夢というか目標の一つです。若い世代に伝えきれたらいい』