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今を生きる私たちが沖縄の未来を考える「イマジンおきなわ」です。家畜に与える飼料の値段が高くなっている今畜産業界の行く末を大きく変えるかもしれない話題です。道端にあってタダで手に入る”アレ”を活用するんだそうです。

ブルーテックの平安正人代表『今日やってるのは刈り草ですね』『畜産関係の牧草が枯渇というか足りてない状態なのでこの刈り草が牧草として有効な原料になるんじゃないかとを昨年の暮れから取り組みまして』『もう3・4ヶ月ほど経つんですが元気パクパク食べてもらってちゃんと成長してもらっています』

#IMAGINEおきなわ vol.29「残さを新たな資源として」

本部町でブルーテックというベンチャー企業を立ち上げた平安正人さんは13年前にサトウキビの搾りかす、いわゆる「バガス」を乾燥させて粉にして食品を加工する技術を生み出しました。この日は家畜用の飼料を作っていました。

ブルーテックの平安正人代表『特徴としては、従来の乾燥機に比べて短時間でできるという、その短時間にできることによって、栄養成分や風味の失活を抑える、ましては熱を与える時間が短いもんですから製造コストを非常に安くて抑えるっていう特徴があります』

サトウキビを粉にする技術を普段よく目にする雑草に応用する事をこんにち新たに考え出したのです!知っておくべき仕組みはというと、強い熱風をかけて雑草に含まれる雑草に含まれる水分をなくして乾燥させます。130度という温度に設定することでコストを抑えられるといいます。

ブルーテックの平安正人代表『今日のものが大体65%ただ植物というのは約90%が水分なので、本来であればもっと高い80%以上もというのも当然出てきます。今日は65%、実際のところ、この乾燥機を通して飼料用に提供する場合はですね含水率を大体20%ぐらいで設定してやっています』『ちょうど牛や豚さんが一番食べやすい含水率ということですね』

県外の企業も注目しています、この日は視察が訪れていました。

#IMAGINEおきなわ vol.29「残さを新たな資源として」

和郷の木内博一社長『うちの場合はですね生産農場であったり、あとは食品加工であったり、そういう事業展開してる、その中で必ず何て言うんすかね残さって言うものが出てきますから、そういうものを残さとして今まで肥料であったり、そういうふうに活用してましたけど、もう少し付加価値を付けて人間が食べるとまでは言わないですけど、例えば畜産のですね飼料にしたり餌にしたりですね、そういうことできないかっていう少し興味を持っています』

生えている環境が違っても同じ植物だから家畜の飼料としての可能性に手ごたえを感じています。

和郷の木内博一社長『地域によって生える草とかそういうのが違うので、例えば沖縄で生えている雑草が餌化にはなるけど、例えば、我々の関東やそういうところで生えている草が雑草化に本当に向くのかっていう問題はまだ検証がないですけども、でも、概ねですね、そんなに変わらないというふうに思ってますんで、可能性は十分あるんじゃないかなという思いはあります』

可能性を秘めた「雑草」でつくったエサを試験的に提供された農場があります。

佐渡山畜産の佐渡山安廉代表『もうほぼ、どのステージっていうか年齢でも好んで食べてはいますね』

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沖縄市の佐渡山畜産です、現在は肉用牛をおよそ200頭育てています。

佐渡山畜産の佐渡山安廉代表『濃厚飼料っていう肉牛にあげる餌はほぼ輸入に頼っていまして、粗飼料と牧草それは県内は結構作ってますね、でも夏場が主で冬場になると量が足りないと』

牛の餌には干し草の「粗飼料」と穀物などを混ぜる「配合飼料」がありほぼ海外からの輸入飼料に頼らなければならない事情があります。県内には酪農が59戸、肉用が2.225戸あります。海外からの飼料は円安やウクライナ情勢の影響で飼料の高騰が続き、キロ当たり80円から100円と去年に比べおよそ1.5倍も値上がりを見せています

佐渡山畜産の佐渡山安廉代表『年々高くなってきてまして、一番経営で経費を占める割合はもうど高くなってきてる感じがするんで、今後も下がる見込みはないんでこういった刈り草とか、そういうバカスが安定して供給できるようになればもうだいぶ助かると思います』

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ブルーテックの平安さんの作った粗飼料は1キロ当たり20円と海外の飼料に比べ4分の1に抑えられているところが魅力だといいます

佐渡山畜産の佐渡山安廉代表は『県内で作れる飼料SDGSだって言うんですかねそういうのも意識していかないといけないんで。うまく循環して』『飼料として使えると県外とかいろんなところに沖縄の牛はそういうのあげて、美味しいんだよという理由もつけられるんで、販売に対してはものすごくプラスになると思います』

ブルーテックの平安正人代表は『捨ててるもの、本来捨てたりしたものっていうのは栄養価が実は多分に詰まってる部位が多いもんですから、それをわざわざ使わない手はないので、こういう細かくすることによって、いろんな原材料として活用する道が広がっています』

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平安さんはサトウキビの搾りかす「バガス」には非常に優れた栄養成分があることに気付きました。

粉末化を発表した後、国内外から問い合わせが殺到したことが「必要」とされる事業へと確信したといいます。

ブルーテックの平安正人代表『この業界では必要とされてるんだなっていう意味では、ものすごくやっぱりやりがいというかですね、やってきたことが間違ってなかったなっていうの感じてます』

事業を始めたきっかけは「勿体ない」という言葉を無くしたいからです。

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ブルーテックの平安正人代表『(勿体ないは)今でこそ今SDGsっていう言葉になってますけど、昔からそのSDGsにより前にもったいないという習慣文化ってのは日本にありますんで、そこは守っていかないといけないしそれを何ですかね、生かさない手はないんじゃないかなと思います』

平安さんの技術は「雑草」だけに留まりません、すでに卵の殻や薄膜にも応用が進んでいて、その粉末は企業での活用が決まっています。

ブルーテックの平安正人代表『何度も言うように、我々捨てられてるもの食べられてこなかった残さと言われてるところにその価値があると思ってスタートしてるので、それを余すことなく使っていくっていうことはもう誰に対しても損することはまずないだろう』『無駄なものと言われてるゴミっていうですね言葉が世の中もなくなるように、資源ですよ。多分そこまで持っていけるように、うん早く実現させたいですね』

#IMAGINEおきなわ vol.29「残さを新たな資源として」

災害や規格外の農作物、また道端などにある雑草を再利用するという価値が見出されなかった「物」に新たな「価値」を付ける技術が私たちにとって大切な「物」となる日は近いかもしれません。