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きのうまでゴールデンウィークで県内各地で様々なイベントが行われました。その中でも5月の風物詩と言われているのが「那覇ハーリー」です。50回目になった大会で、初めての高校生レースが行われました。同級生を率いる若きハーリージョーグーには、競漕にかける特別な思いがありました。

初夏の日差しが降り注ぐ那覇の海、ことしも黄・緑・黒の3色の爬龍船が水面を駆け抜けます。那覇ハーリーは航海の安全や豊漁を祈願するもので、琉球王国時代には国家行事として行われ、600年の歴史があるといわれています。

現在はゴールデンウィークの風物詩として県民に親しまれていて、参加者が長さ14.5メートル・重さ2.5トンの爬龍船を漕いで600メートルの競漕をする姿は圧巻です。

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

会社で出場「年に1回の楽しみでおもしろい」友達と出場「最高でした」「かけがえのない思い出になった」会社で出場「家族の応援があったおかげで最後まで頑張れた」漕いでいるお父さんの姿は?「すごい!」「かっこよかった」

5月3日から5日までの3日間で16万2千人が訪れ、ことしも会場は大賑わいとなりました。

安次富長徒さん「帰りは向かい風になる、多分レースが決まるのはターンしてからになると思う」

今大会に特別な思いを持って臨むのは、那覇国際高校3年生の安次富長徒(あしとみ・たけと)さんです。ことしは那覇ハーリーがいまの形で復活してから50回目の大会で、初めて高校生対抗のレースが企画されました。

安次富長徒さん「やっとこの日が来たなと、1カ月間待ち遠しかったです」

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

仲間との思い出を作ろうと参加を決意し、リーダーとして仲間たちを引っ張ってきた安次富さん。誰よりも今回の勝負への闘志を燃やすのには理由があります。那覇ハーリーの1週間前、生徒たちが帰った那覇中学校のプールでエークを漕ぐ人たちの姿が。

「とまり会」の青年部は毎年大会のメインを飾る市内3地区による「本バーリー」に向けて本番の1カ月ほど前から毎晩7時から9時まで練習をしています。

2連覇がかかる今回、技術を磨く「とまり」のメンバーのなかに安次富さんの姿がありました。本番を想定して6分間漕ぎ続けることを繰り返すハードな練習に何とかついていきます。

安次富長徒さん「きついですね」「やはり6分は練習してても疲れる?」「ペースも早いので疲れますね」

安次富さんを支えるのが一緒に船に乗る家族の存在です。弟と父親の3人が一緒のチームのハーリー一家なのです。

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

弟 安次富長衛(あしとみ・たける)さん「(兄も漕ぎは)自分よりは下だと思っています」

父親 安次富長郎(あしとみ・ながお)さん「まだ練習が甘いのでまだ連取が必要じゃないかときびしくみまもっていますね」

安次富さんはとまり会のメンバーである父親の影響で子どものころからハーリーが身近にあり、中学生になると自身もとまり会に入って本格的に関わるようになります。大好きなハーリー競漕を友達と一緒に漕ぐことのできる中学校対抗レースへの出場を楽しみにしていました。しかしその矢先、新型コロナの感染拡大が県内を襲い、安次富さんの夢は潰されてしまいます。

安次富長徒さん「うそだろおいって気持ちと、最初はすぐできるだろうと思っていたが中2中3とどんどん(コロナが)加速して那覇ハーリーが中止になってしまって、気持ちは募っていくだけで解消できず」「後味の悪い中学校時代を過ごしていたという感じでした」

迎えた決戦の日、安次富さんが仲間と臨む4年越しの競漕は、那覇商業高校との一騎打ちです。高校生対決の初代王者にみんなで輝こうと試合前に仲間を鼓舞します。

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

円陣の様子・安次富長徒さん「勝てます、勝つしかない、せーの、ウェイっ」

スタートダッシュはほぼ互角、両校ともハーリー鐘の音に合わせて力強く突き進みます。先にターンをかけたのは那覇国際、すぐあとを那覇商業が追いかけてくる展開。息をつく暇もないプライドのぶつかり合い、制したのは!6分6秒で那覇国際が初代王者に輝きました。

友人「長徒キャプテンがみんなを鼓舞してくれたので、みんなの心は一つだったと思います」「中学生のころ、コロナで那覇ハーリーに出られなかったので、そのもやもやを晴らすことができたので一生の思い出に残ると思います」

友人「最高です」「苦しいながらも仲間たちと笑顔で掛け声を出して漕げたのが楽しかった」

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

安次富長徒さん「すんごい楽しかったです」「もう一生忘れきれない経験になると思います。高校生活最後の1年という中で非常にいい経験が刻まれたのではないかと思う」

高校生ミーティング「初代王者となりました」歓声

いよいよ大会を締めくくる競漕に久米・那覇・泊の3地区の代表を乗せた爬龍船が登場。泊の船には父親・弟とともに安次富さんの姿がありました。家族と一緒に漕ぐ今年最後の競漕に力が入ります。少しでも船を前に進めようと、これまで鍛えてきた技術を目一杯ぶつけました。

『優勝は 泊!

安次富長徒さん「最高です、高校でも本バーリーでも優勝、本バーリーにかんしては2連覇を飾ることができたのが本当に嬉しかったです」「弟や父も漕いでいるんだと、2人の背中を見ながら最後まで漕ぎきることができたと思っています」

那覇ハーリー50回記念大会 初の高校生レース

弟 安次富長衛(あしとみ・たける)さん「(兄の漕ぎは)見えなかったですね、見えるくらい漕いでほしかったです」

父親 安次富長郎(あしとみ・ながお)さん「正直彼(安次富さん)の成長には驚きがありまして、親としても新たな発見がたくさんありました」「一体感が出ますから、家族もとても楽しかったです」

安次富長徒さん「ゴールデンウィークと言えばハーリー、ハーリーといえばゴールデンウィークといった小さいころからなじみのある行事で今後もしっかり携わっていってハーリーを繋いでいけたらと思う」

ことしも観客を魅了した那覇ハーリーは幕を閉じました。ハーリージョーグーたちの熱い思いは、次の世代に引き継がれながら進み続けていきます。