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玉城アナ)琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。

湊和雄さん)よろしくお願いします。

玉城アナ)今回のテーマはこちら「構造色の世界」です。『構造色』あまり聞き慣れない言葉ですよね?

湊和雄さん)構造色は複雑な光の反射などによって生じる色彩で、私たちの生活の中でも、シャボン玉やDVDの虹色がこの構造色と呼ばれるものです。自然界にあふれる豊かな色彩にも色素によらない色が存在しています。

玉城アナ)自然界での構造色、気になりますね。さっそくVTRをご覧ください!

リュウキュウの自然「構造色の世界」

湊和雄さん)まず、この映像を見てください。あるチョウの翅の一部分を拡大したものです。被写体やカメラは全く動かさずに、照明の位置だけを移動させています。

玉城アナ)赤褐色からブルーに変化しましたね。

湊和雄さん)色の変化は、構造色を持つ鱗粉からきているんですね!これは先ほどのチョウの野外で活動している映像です。ツマムラサキマダラのオスです。翅を開閉すると、紫色の範囲が変化します。

玉城アナ)光を取り込むと紫色が広がるんですね!

湊和雄さん)こちらは、ツマムラサキマダラのメス雄に比べると、元々紫色の部分が狭いのですが、やはり翅の角度(光線の当たり方)によって、その範囲が変化したり、紫色が消えてしまうのが分かります。

玉城アナ)構造色、おもしろいですね。

リュウキュウの自然「構造色の世界」

湊和雄さん)これはリュウキュウムラサキのフィリピン型のメス。沖縄本島では冬は越せない迷蝶という存在ですが、春から秋には目にすることも少なくありません。やはり翅の紫色が翅の開閉によって、現れたり消えたりしますね。

玉城アナ)本当ですね!こちらのチョウは変化が分かりやすいですね。

湊和雄さん)続いて、こちらも沖縄本島では迷蝶扱いのマルバネルリマダラ。翅の表面の外縁近くに並んでいる白っぽい斑紋。羽ばたくと白に見えたり水色に見えたり変化しますね。

リュウキュウの自然「構造色の世界」

玉城アナ)翅を広げるとよりきれいな水色になりますね

湊和雄さん)角度によって色彩が変わるのは、この白っぽい模様だけではありません。翅の地色も、普段は黒っぽく見えていますが、濃いブルーに見えることもあります。

玉城アナ)本当ですね!

湊和雄さん)これは沖縄県の蝶にも選ばれた、日本最大の蝶オオゴマダラ。成虫の翅の色彩は白と黒と地味ですね。しかし、逆光に照らされると、こんな不思議な色彩を放つのです。

リュウキュウの自然「構造色の世界」

玉城アナ)じっくり観察するといろんな色が見られますね!

湊和雄さん)やはり角度が変わると、その色彩も変化しますね。青空バックで羽ばたいていると、このように翅全体がオパール光沢に包まれる瞬間があります。

玉城アナ)きれいですね~!!

湊和雄さん)少し暗めに補正して、スロー映像にすると、より分かり易いでしょう。

玉城アナ)一見、白と黒だけに見えるチョウが不思議です。

湊和雄さん)オオゴマダラの蛹が金色なのは有名です。翅のように角度によって色彩は変化しませんが、これも構造色の1種類だと言われています。この金色が成虫になると何処に消えてしまうのか不思議ですよね?

玉城アナ)はい。気になります。

湊和雄さん)そこで成虫の翅の一部分を拡大してみました。鱗粉は上下2層になっていますが、表面の白い鱗粉の下に金色の鱗粉が見えています。

玉城アナ)これがあのオパール光沢を生み出す原因でしょうか?

湊和雄さん)そうかもしれませんね~!

玉城アナ)構造色の世界、勉強になりました。

湊和雄さん)今日はチョウの構造色ばかり紹介しましたが、他にも蛾やカメムシなど、構造色を持つ仲間はたくさんいます。

玉城アナ)構造色を持つ昆虫を探してみるのも良いですね!さて、来月から湊さんが、桜坂市民大学の冬期講座の講師を務めるそうです!

湊和雄さん)はい、そうなんです。11月15日~来年の2月7日の隔週開講で・全7回行います。時間は午後5時40分~午後7時10分の90分講座になります。世界自然遺産に登録されたやんばるの希少動物の紹介や解説などを予定していますよ。詳しくは桜坂市民大学のホームページをご覧ください。

玉城アナ)湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。