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先週、5日間の日程で中国を訪問した玉城知事。県は今年度から地域外交室を設置し、照屋副知事が5月に韓国を訪問したのに続き、知事自ら4年ぶりに中国を訪問し地域外交を本格化させる中、今回の訪中ではどのような結果を得たのでしょうか。

4年ぶりに中国を訪問した玉城知事。今回の訪中は、日本国際貿易促進協会の訪中団の一員として参加したものです。

玉城知事「国貿促の狙いはあくまでも経済や観光の相互発展を目指しての交流ですので、そこが一番大きなポイント。沖縄は常にアジア全体が平和であってほしいところから、国・地域とのつながりを続けていって、お互いに信頼を寄せあって互恵関係を続けていきたいということを伝えたい」

玉城知事訪中から帰国「多面的な交流の活性化に向けてたしかな手ごたえ」

訪中の狙いについてこのように語っていた玉城知事。今回の訪中で最も重大な日程となったのは 政権ナンバー2の李強(りきょう)首相との面談。

沖縄への観光客数が過去最多だった2019年度には70万人近くが訪れていた中、新型コロナの影響で直行便が運休し観光客が激減していることを受け、玉城知事は李強首相に対し沖縄と中国の直行便の再開を求めました。

また、沖縄から中国を訪問する際に県外の総領事館で訪問ビザを申請することが負担となっているとして、ビザ手続きの簡素化も求めました。

これに対し李強首相からは「関連当局に検討するように指導し、解決の方向を見出したい」と前向きな姿勢が示されたということです。

玉城知事訪中から帰国「多面的な交流の活性化に向けてたしかな手ごたえ」

また、県独自の日程として琉球王国の外交官や留学生などが葬られている琉球国墓地の跡地や、県と友好関係を結ぶ福建省も訪問するなど、沖縄とゆかりのある場所にも訪れ、文化的な交流も行った玉城知事。帰国後、今回の訪中の成果について次のように述べました。

玉城知事「一連の日程を通して沖縄と中国の多面的な交流の活性化に向けてたしかな手ごたえを感じたと受け止めている」

一方で、訪中前の県議会では中国が領有権を主張する尖閣諸島の問題について言及すべきとの意見があがった一方、今回の訪中ではこの問題に触れなかった玉城知事。尖閣の問題については「は政府の方針を踏襲するという立場」とする中、この問題に言及しなかった理由についてこう述べました。

玉城知事訪中から帰国「多面的な交流の活性化に向けてたしかな手ごたえ」

玉城知事「先方から尖閣のことは一言も話が出ませんでした。つまりこれは今回のテーマではないということが明らかな形として、だからこそ経済はこうしよう、ビザについてはしっかり検討していこう、飛行機の復便についても航空各社とも連携していこうという具体的な話に進んでいったと思う」

県独自の地域外交に力を入れている中、地域外交について「あらゆる交流を促進することが 国と国との外交をサポートすることができる」との考えを述べた玉城知事。

今後台湾への訪問を検討していますが、県が抱える問題の解決に向けた対応と同時に政府間で抱える問題に対し、どういう姿勢で挑むのか、玉城知事のバランス感覚が求められています。