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宜野湾市の緑ヶ丘保育園でアメリカ軍ヘリから落下したとみられる部品が見つかった問題からおとといで5年。きのう保護者たちは政府に対し保育園や小学校の上空のアメリカ軍機の飛行禁止などを要請しました。

5年経っても変わらない現状に対しあきらめず声をあげ続けるのは「安心安全な学校に通わせたい」という保護者達の変わらない切実な思いからでした。

具志堅美乃さん「子どもたちがしっかり守られてこそ日本の未来があるのではないでしょうか。普天間の子どもたちも日本を担う大切な子どもたちです。私たち母親が求めているのは安心安全に学校に通わせたいと本来当たり前でささやかな願いです。」

きのう政府に対し要請を行ったのは宜野湾市の緑ヶ丘保育園や普天間第二小などに通う子どもの保護者たちでつくる「#コドソラ」のメンバー。今回の要請にあわせて集まった3万筆を超える署名を手に子どもたちの安心安全な環境を守ってほしいと切実な思いを訴えました。

与那城千恵美さん「普天間(基地)の閉鎖・撤去というのはとても時間がかかる問題だと思う。子どもたちの危険は毎日毎日なのでまずはできることから、すぐできることからということで飛行ルートを守って学校の上を飛ばないでくださいというのを私たちはずっと求めています。」

緑ヶ丘保育園・部品落下から5年「変わらない現状と変わらない保護者の思い」

5年前、宜野湾市の緑ヶ丘保育園でアメリカ軍のヘリから落ちたとみられる部品が見つかりました。それ以来、当時子どもが保育園に通っていた与那城さんなど保護者たちは子どもたちが通う保育園などの上空をアメリカ軍機が飛ばないよう政府に訴え続けています。

担当者(当時)(2018年要請)「米軍に対し安全面に最大限配慮するとともに地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう引き続き求めてまいりたいと考えております」

担当者(当時)(2019年要請)「やはり普天間基地という街の真ん中で多数の学校・保育園に囲まれた場所にある基地の状況が根本的な問題ですが、政府としては普天間基地の返還に向けて最大限の努力をしているつもり」

緑ヶ丘保育園・部品落下から5年「変わらない現状と変わらない保護者の思い」

幾度となく要請をしても「園の上空を飛ばさせない」という明確な回答は返ってきませんでした。さらにアメリカ軍機の窓枠が落下した普天間第二小学校のグラウンドからはPFASが検出されていて、空だけではなく土も子どもたちの安全を脅かしています。

変わらないどころか悪化している現状。そんな中、保護者たちは子どもたちが置かれている環境を多くの人に伝える活動を続けています。仕事や子育てをしながら、様々な活動を行うのは親として、子ども達を守りたいという強い思いがあったからでした。

与那城千恵美さん「子ども達を守りたい、私の子どもを守らないといけないという思いがあるからここまでやってこれています。またこれを私の娘や息子にこの環境を大人になったときに絶対引き継いではいけない。私たちの代で止めないといけないという強い思いがあります」

緑ヶ丘保育園・部品落下から5年「変わらない現状と変わらない保護者の思い」

そして、きのうの政府要請。

与那城千恵美さん「私たちが求めているのは基地撤去とかそういうことではなくて子どもたちの上を飛ばないで欲しい。学校の土を入れ替えて安心なものにして欲しい。他の都道府県の子どもたちと同じように安心安全な学校に通わせたいっていうただその思いだけです。」

5年間変わらない保護者たちの思い。

外務省担当者「外務省としては引き続き地元の皆様の負担軽減のため地元の皆様のご要望を米側に伝えていく考え」

防衛省担当者「防衛省としましては引き続き米側に対し日米間の合意を遵守し航空機の運用による周辺住民への影響を最小限にとどめるよう求める」

繰り返されるこれまでと同じ回答。普天間の実情や地元の声を理解しようとしない国の姿勢が際立ちます。

緑ヶ丘保育園・部品落下から5年「変わらない現状と変わらない保護者の思い」

宮城智子さん「こんなに申し入れしているのになぜ変わらないのか不思議に思いませんかね。私たち住民の声より米軍の言うことを聞いちゃっているという感じがしてならない」

村上陽子さん「皆さん何のために(米側に)申し入れをされているんですか。申し入れするために申し入れをしてほしいと言っているんじゃないんです。状況を変えていただきたいし、申し入れをしても状況が変わらないのであれば、それはどうしてなのか重ねて米軍に聞いていただきたい」

5年間変わらない現状。それでも1日も早く子どもたちの安全を確保するため保護者たちは声を上げ続けます。

与那城千恵美さん「私たちの活動が大変だから「ゆっくり無理のない範囲で頑張ってね」とよく言われるが、この活動を早く終わらせるために明日にでも飛行ルートを守らせたい、安心安全に学校に通わせたいという思いで全力で子育て、仕事しながらやっている。それを省庁の方にもわかってほしい」

緑ヶ丘保育園・部品落下から5年「変わらない現状と変わらない保護者の思い」