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声を聞き入れて実体審理をしてほしいという住民たちの思いは裁判所に届くのでしょうか?

辺野古の新基地建設をめぐって軟弱地盤を固めるための設計変更が適法かどうかを問うために住民たちが国を相手に起こした裁判が始まりました。

原告団長・東恩納琢磨さんは「なぜ辺野古で、大浦湾で生活している普通の人の権利を認めないのかと、そういうことを主張していきたいと思います。」と述べました。

辺野古の住民など20人が原告となって国を訴えた裁判では、辺野古の軟弱地盤をめぐって防衛局が申請した設計変更を認めなかった県の決定を国交大臣が取り消すことは違法だとして不承認の効力の回復を求めています。

10月25日の第一回口頭弁論では原告団長の東恩納琢磨さんが法廷に立ち「辺野古の地域や大浦湾で暮らしたり働いたりしている国民の訴えを原告不適格と門前払いするのは公平ではない」と意見を述べました。

国側は住民に裁判を起こす権利いわゆる「原告適格」はなく訴えの却下を求めています。そのうえで「埋め立て工法の変更が原告らの生命・身体・生活環境などに影響する理由や根拠は示されていない」と指摘しています。

次回の裁判は3カ月後に開かれます。


記者解説 辺野古住民の裁判 国の工事の進め方を問う


辺野古の住民や埋め立て予定海域周辺を生業とする人たちによる国との法廷闘争が始まりました。住民たちとしては一日でも早く工事を止めたいという一心だと思います。濱元さん、今回の裁判は判決が出るまでどれくらいかかりそうですか?

濱元記者「1カ月後、2カ月後に結果がわかるというわけではありません。埋め立て工事がどれだけ住民たちの生活に影響を与えるのか法廷で意見を述べていく形で裁判が進んでいきます。判決が出るまで少なくとも半年以上、場合によっては1年以上かかることも考えられます。」

きょうの段階では、住民と国、双方の主張が出そろったという感じですか?

濱元記者「その通りです。それぞれの主張を見ていきたいと思います。」「原告である住民たちは設計変更の不承認を取り消した国交大臣の決定は違法だという立場です。その根拠として、「予定する工事が実施可能か明かではなく、地盤の安定性に疑問が残っている」ことや「軟弱地盤の最も深い部分がる地点の力学試験がない」ことを指摘しています。」

「つまり、「調査が不十分な状態で設計変更を申請するには無理がある」と国の進め方に疑問を投げかけているわけです。」

「そもそも、設計変更が認められた後の基地の完成は2030年代にずれ込むことになっていて国が言う「一日も早い」危険性の除去にはつながらないため「埋め立て工事の必要性は失われている」とも付け加えられています。」

「住民側としては辺野古の新基地建設自体が生活に悪影響を及ぼす可能性が高いため住民側にも設計変更の妥当性などを問う資格はあるという立場です。」

辺野古住民の訴訟が始まる

「辺野古をめぐる住民の裁判では幾度となく門前払いが続いていますが、住民が声を上げることで基地が完成した場合の生活の影響など司法に実体審理を迫る狙いがあります。」

「辺野古に60年以上住んでいて前回の住民訴訟にも参加している金城武政さんは、平和で自然豊かな沖縄を未来に残していくために何度だって裁判を戦っていくと強く語りました。」

金城武政さん「できてしまったら大変なことだし、後悔が後に残るし、一番子どもたちに残るし」「私たちが望んでいるのは基地をとめて安全な暮らしをしたいっていうのが原点にあるんですよ」「おかしいところはどんどんひとつづつ積み重ねて行けばいいと思っています。これほどたくさん(問題が)あるのに、もしできなくなるまで、どんどんやっていきたいと思う」

濱元記者「基地ができた後に騒音被害を訴えたとしても、軍の施設は日本の法律が及ばないとした「第三者行為論」で退けられるという見方もあるんです。」

生活がかかった切実な声だというわけですね。対する国の主張はどうなっていますか?

濱元記者「国は門前払いの判決を求めています。住民側には訴えを起こす権利、いわゆる「原告適格」がないと主張しています。」

「原告適格がない」とはどういうことを意味していますか?

濱元記者「辺野古の軟弱地盤をめぐって設計変更の申請を不承認にした県と不承認を取り消した国土交通省との関係のなかで原告適格があるかを判断すべきことなので「住民たちには関係ない」つまり、「原告適格がない」と言っているんです。」

辺野古住民の訴訟が始まる

「そのうえで、軟弱地盤を固める工事を追加しても従来の埋め立て区域は変わらないので住民たちは埋め立て工事で不利益を被ると言っているが、今回の設計変更とは関係ないとも付け加えています。」

住民側は設計変更を含めた工事全体について主張していて国は設計変更の部分だけを見て理論武装している感じですね。

濱元記者「国の強硬姿勢に負けることなく声を上げ続ける住民たちの思いにしっかりと向き合っていく必要がありそうです。」