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楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。よろしくお願いします。
長田勇さん「よろしくお願いします。今回は、梅雨が明けた後にやんばるの海で潜ってきましたのでそのときの様子をご覧いただきたいと思います。
さっそくVTRをご覧ください。
長田勇さん「やんばるの海でダイビングする時はいつも辺土名漁港を使っています。今年は梅雨の期間が短かったので、夏が長く感じそうですね。Sea Lifeの森 友秀さんに案内して頂き辺土名漁港沖およそ1kmのポイントで潜ります」

どんな光景が広がっているのか楽しみです。
長田勇さん「ここは、以前にも潜ったことがあります。あたり一面サンゴに覆われた場所。去年、夏の海水温上昇でサンゴに影響があったと聞いていたので心配していました。水深5mのポイント、比較的元気なサンゴが多いと感じました。枝サンゴの上を住処とするハマクマノミの姿も。こちらは水深3m、直径2m近くもあるテーブルサンゴ。生き残ってくれて嬉しいです」

元気な姿で良かったですね!
長田勇さん「そうですね!こちらは、いくつかのテーブルサンゴや枝サンゴが重なり合って小さな山を形成しています。サンゴが密集すれば、縄張り争いも激しいんです。テーブルを突き破って成長する枝サンゴ、たくましい!」「色彩豊かなウメイロモドキの群れ。この魚の餌はプランクトンですから、サンゴがなくても生きていける魚ではあります。そうは言っても、サンゴ礁には綺麗な魚が似合いますよね!」

映えてますね。
長田勇さん「こちらは今年産まれたばかりのスズメダイの赤ちゃん。元気よく泳いでいました。ちょっと景色が変わったんですが、分かりますか?先ほどまでは、死んでしまったサンゴが極力映らない方向で撮影していた映像なんです。実際には、死んで茶色くなったサンゴがいっぱい。藻が生えているの分かりますかね」

明らかに違いますね!魚たちへも、もちろん影響があるんですよね?
長田勇さん「あります!水色の魚、デバスズメダイ。この魚は、生きたサンゴがいないと生きていけません。住処が少なくなると生存率は下がってしまいます。ガイドの森さんによると、ここのポイントでは、去年の水温上昇による影響でおよそ7割のサンゴが死滅したそうです」
「水温の上昇が原因ではない可能性の高いサンゴの姿もありました。大きなテーブルサンゴの左半分が死んでいますが右半分は生きています。20年ほど前から目撃されるようになった『ホワイトシンドローム』と呼ばれるサンゴの病気に似ているんです本当の原因は分かりませんが他のサンゴに伝染しないでほしいですね」
そうですね。

長田勇さん「こちらも何かの病気にかかってしまったようなテーブルサンゴ。左側のサンゴは健全な状態。右のサンゴの表面が、ただれたようになっていますね。サンゴも動物の一種ですから、病気もあると思いますが、私たちで治すことが出来ないのが歯痒いです。水深の浅いサンゴ礁では台風の被害も。これ、テーブルサンゴがひっくり返って死んだ状態です。大きなうねりが襲ったんでしょうね。高水温に病気に台風。サンゴには本当に敵が多過ぎます」
それでも何とか耐え抜いて欲しいですね!
長田勇さん「こちらは元気に成長しているトゲホソエダミドリイシ。枝の先端が薄紫色、色彩が本当に綺麗で私も大好きなサンゴです。大きさ、どれくらいか分かりますか?皆さんが想像しているより、多分小さいです」

長田さんの指の爪ぐらいでしたね。
長田勇さん「小さいと言っても今年産まれたわけではないので、去年の海水温上昇にも耐えてくれたようです。ポリプの色は蛍光グリーン、お洒落すぎますね!小さなサンゴも太陽の光をたくさん浴びて頑張って生きています」

本当に美しい色彩で、どんな風に成長していくのか今から楽しみですね。
長田勇さん「そうですね、あらためてサンゴ礁を泳いでみるとぱっと見、綺麗なサンゴ礁に見えますが、よーく見ると死んでしまっている個体も多いんです。綺麗なところだけを泳ぎながら撮影すると、健全なサンゴ礁に見えてしまいますが、実際は、かなりダメージを受けています。やんばるの海、今まで通りのサンゴ礁に必ず復活してくれると信じています」
もとの姿に戻るまでは、まだまだ時間がかかりそうですが温かく見守っていきたいですね!
長田勇さん「そうですね、復活するには、産卵してくれるのが一番!という事で、同じポイントで夜潜ってサンゴの産卵を狙いましたので次回の放送でご覧いただきたいと思います。」
サンゴの産卵がまた見られるんですね!楽しみです。今回も貴重な映像をありがとうございました。以上、楽園の海でした!