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毎年、開催されている不登校の子どもたちによる音楽発表会。番組では4年前からその成長を見守ってきました。ことしはおよそ30人が参加し、オンライン配信のなか仲間と共に音を奏でていました。

「空は青く澄み渡り~僕らはもうひとりじゃない」

先週、オンラインで配信された音楽発表会。ステージに立ったのは、様々な理由で学校に通えなくなった子ども達です。

子どもの自立を支援する「kukulu」。

子どもたちは、音楽家団体「楽友協会おきなわ」のメンバーに教わりながら音楽の魅力に触れ、毎年2月の発表会を目標に練習しています。去年につづき、コロナに翻弄されながらもオンラインでコミュニケーションを取り続け…やっと4カ月前から本格的な練習が再開できました。

仲間がいるから越えられる 不登校 音楽発表会

作曲家 鶴見幸代さん「音楽を楽しもうっていう雰囲気になるっていうのが例年に比べれば少し難しかったようなイメージはあるんですけど、オンラインゲームが好きとかオンラインが得意な子が多いから、オンラインの方がむしろ参加できる、心の垣根もなく気軽に参加できるということもあった」

ナレ:この発表会に毎回参加している、国吉英樹さん。いじめが原因で学校にいけなくなりました。Kukuluの友達と出会ってからは元気を取り戻し、3年前には目標としていた大学にも合格しました。しかし、その大学生活は、英樹さんにとって孤独なものでした。

2019年11月8日国吉秀樹さん「自分が劣っている感じがすごいして、自分がここに居ていいのだろうかっていう感じがしてて」

仲間がいるから越えられる 不登校 音楽発表会

時間をかけて悩み抜いた末、英樹さんは大学を辞めることを決めました。

国吉秀樹さん「(kukuluスタッフには)最初隠していたんですけどポロっと「実は辞めたんですよねー」と言ったら、「あははは」と笑って。そういうところがうれしいですよね。特に重く受け止められたりせずに「そうなんだー」と済ませてくれたので、すごく助かりました」

ありのままを受け入れてくれる仲間に英樹さんは救われました。

演奏会 魔法の絨毯演奏 アラジンのように~

様々な楽器の演奏が盛り込まれた今回の発表会。英樹さんは、ずっとやってみたかったピアノの演奏に挑戦することにしました。選んだのは大好きなゲームで使われている楽曲です。

国吉秀樹さん「(作曲家の)鶴見さんに「この曲好きなんですよ」と聞かせたら、「ちょっと待ってて」と楽譜を書いてくれた。それが嬉しくて」

仲間がいるから越えられる 不登校 音楽発表会

しかし、前日のリハーサルでは緊張で思うようにいきませんでした。迎えた本番。英樹さんの隣には友達が。緊張を和らげるためにそばで見守ってくれることになりました。

国吉秀樹さん「ちょっと安心します」「いるだけで、なんでだろう、なんか弾けるんですよね。不思議だなって思います」

友達「すごくきれいな音だなと思いました17」友達「めっちゃウルっと来ました」

英樹さんにピアノを指導した平良明子さん。本番は立ち会うことができませんでしたがこんなコメントを寄せてくれました。

平良明子さん「曲を知り尽くしているのでできるだけ音楽を思い浮かべて弾くように伝えました。本番は照れることなく、真剣に立ち向かっている姿に感動しました」

国吉秀樹さん「結構飽きっぽいタイプなんで。周りに教えてもらったっていうのもあるんですけど、続けられたことにすごくびっくりしています」

ひとりじゃないから、乗り越えられることがある。ひとまわり成長した子ども達の姿が、賑やかな舞台の上で輝いていました。


仲間がいるから越えられる 不登校 音楽発表会