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読谷村を拠点に活動するメンバー全員が20代の若手演劇集団があります。今回、久しぶりに披露することになった劇は地元に伝わる民話をもとに作ったものでした。表現の世界をひた走る若き役者たちの姿を追いました。

個性豊かな演技で見に来た人を虜にするのは、演撃戦隊ジャスプレッソです。ジャスプレッソは、リーダーで脚本などを手掛ける渡久地雅斗さんを筆頭に役者5人、制作1人の計6人で、読谷村を拠点に活動している、3年前に立ち上がったばかりの、若手演劇集団です。

民話を芝居にする若手演劇集団

渡久地さん「1番、声にかなり力を入れています。僕たち大事にしているのが、振り切りなんですけれども、演技もどこまで感情振り切れるか、どこまでおもしろく振り切れるかというところを大事にしていて、演技とか表現に対する考え方が統一されているから、すぐ作品作りとかもすぐまとまるというか」

公演を翌日に控え、練習も本番さながらの熱の入りようです。1年半ぶりの舞台では、彼らの地元・読谷に伝わる民話から作った3つの作品を披露することになっています。

先生からのアドバイス「表現の仕方色々あるんだろうけど、みんな自分の大切な人をあの世に連れていきます、という感じにして」

この日は公演前最後の稽古で、発声を教わっている先生から指導を受けていました。

民話を芝居にする若手演劇集団

先月下旬に3日にわたって行われたジャスプレッソの公演、地元で千秋楽をしめくくるということもあり、メンバー全員が張り切っていました。

観客「今回は民話を元にしているという風に伺っているので、どういった内容なのかなと、楽しみにしています。」

観客「久しぶりに観劇を楽しもうと思ってきました。読谷の民話と書いてあって、僕読谷出身なんですけれど、なんの話をするんだろうなと、ワクワクしています。」

前説「今回、我々が演じる民話は、沖縄県中部地方にございます「読谷村」 に伝わる民話です。たまたま目に入った読谷の民話集を、興味本位で手に取り、読んでみたそうです。そして、何話か目を通したリーダーは最初にこう思ったそうです・・・。エグイ。めちゃめちゃエグイ、こんなお話し、子どもに聞かせるのか、と。よし、これやろう。」

公演前、この舞台を通して、お客さんに少しでも多く笑ってほしい、楽しんでもらって、気持ちよく帰ってほしいとメンバー全員が口を揃えて話していました。

民話を芝居にする若手演劇集団

公演の目玉となったのが「カラスと弁当」という民話をもとにした作品です。自分の息子を可愛がるあまり、夫の前妻の子どもを毒入り弁当で殺害しようと画策するストーリーです。弁当はカラスに食べられた挙句、実の息子が残りを食べてしまうという悲惨な結末を迎えます。

観客「やっぱりそうですよ、元気もらえますね。もう少し、みんなに民話や舞台を直接、メディア(を通して)じゃなくて、直に見るという機会が多くなればいいなと思いますね。テレビとかとは、感じ方が全然違うし、近くで演じる方の息遣いなども全部受けることができるので、やっぱり舞台は間近で、距離が短くて、最高です。」

渡久地さん「こういう状況の中でも、エンタメは必要なんだとはっきり認識したなと。こんなにアンケートで『ありがとうございます』と言われたことがなかったので。『元気をもらいました』『鬱々とした気分だったけれど、今回公演を見て沢山笑って、(ストレス)発散しました』というお声をいただいたので。(エンタメは)別になくても生きてはいけるけど、でもないとダメなんだなと思いましたね。」

コロナがエンタメ界に暗い影を落とす厳しい状況にもめげることなく、前向きに続けるジャスプレッソ。これからも民話を題材にした舞台に挑戦していきます。

民話を芝居にする若手演劇集団

渡久地さん「色んな地域で(民話を題材にした公演)やりたいと思っているんですけれど、この地域のこういう話、民話があるよと、調べて、それをその地域の方々だけに向けたぷらさないの民話を各地で公演したいですね。」

渡久地さん「なんかこう、自分の地元が好きになるじゃないですか、最近地元を見つめなおすことが多分ないのかな、と思うので、あえて、そういうことをやって、余計地元が好きになって、地元のことをもっと知りたくなってくれんかな、みたいな。良さを伝えていけたらいいな、と思いますね。」

渡久地さん「その中でも、やっぱりエンタメに振り切って、やりたいなと。とにかく楽しんでもらう、とにかく興奮して帰ってもらう。とにかく幸せになってもらうみたいな。気持ちよくなって帰ってもらうと、それの究極を目指しています。」