ひっ迫した状態が続く医療の確保とともに、経済の立て直しも避けては通れない喫緊の課題です。

きょうで1週間となる緊急事態宣言。「県内全域で夜8時まで」という「時短営業の要請」と「それに伴う補償」は常にセットで情報が伝えられることが多々あります。

一方で、補償の対象から漏れている業者は、ただひたすらこの状況に耐えなければいけないという苦境に追いやられていました。

Qプラスリポート 補償を受けられない業者の苦悩

飲食店の時短営業を受けて、食材を卸す「仲卸業者」では経営への影響を懸念する声があがっています。

三大食品営業・新屋光崇さん「注文が毎日来ていたお客さんが、3日に1回とか。取引先も全然お客さんがいないみたいで、注文するものがないみたいです」

創業39年、南城市にある「三大食品」です。中南部の居酒屋や弁当屋など800カ所に食材を届けてきましたが、取引先の4分の1にあたる200店舗が、現在、閉店や休業の状態だといいます。取引先の多くは個人経営の飲食店です。今回の時短営業に協力する店が多く、食材の注文は大幅に減ってしまいました。

三大食品の普天間邦光社長。父とふたりで始めた小さな店を、社員・パートあわせて45人の企業に成長させました。

三大食品・普天間邦光社長「頑張って開けていた店も、補助金もらって閉めている。うちとしては、ちょっと売上ダウンにはなっています。その分、補填する方法がまだ確立していないもんですから」

三大食品では、去年3月からすでに売り上げに影響が出はじめていました。さらに緊急事態宣言が出されるたびに、売り上げは前年の半分になり、急激に落ち込んだといいます。10月~12月は9割近くまで回復したにもかかわらず、時短要請が全県に拡大されたことで、再び落ち込む見込みです。

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三大食品・普天間邦光社長「うちのように補助もらっていないところは(注文がわずか)何件であっても閉めることはできないので、動かしながら、利益はないけど、動かしながら経費を使って、どうにか生き延びて我慢する以外ないってことになってしまう」

三大食品では併設している店舗で、業務用の食材を小分けにして一般向けに販売するなど、新たな需要の掘り起こしに力を入れています。

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三大食品・普天間邦光社長「コロナが発生した時から、会社を立ち上げた、起業した気持ちでいこうねと言っているんですよ。半年かかるか1年かかるかわからないけど、それまでの借金は起業した借金だと思って、そういう気持ちでみんな頑張ろうよということは言ってるんです」

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飲食店の時短営業や休業の煽りを受け、タクシー業者も深刻な状況に陥っています。午後8時までの時短営業が始まった先週金曜日、乗客を求めて街を走る空車のタクシーが目立ちました。

タクシー運転手「きょう全然ですね。(夕方)5時半ぐらいから出ているんですけど、これ2件目なんですよ」

このタクシーは客を下ろして、新しい客を見つけるまでに4時間もかかったといいます。

県内全域でおよそ370台のタクシーを稼働させている沖東交通。その配車を全て請け負う無線局では、夜9時をまわって、ほとんど電話が鳴りません。

沖東交通・比嘉毅さん「普段でしたら電話が鳴りっぱなしで、常に空車がなくてお断りしなければいけないこともあるんですけど、今はご覧のように現状ほとんど(電話が)ならない状況です」

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地図上の数字はタクシーの無線番号で、緑が空車、ピンクが乗車中を表します。この時間帯に客を乗せていたのは、300台中1割以下でした。

沖東交通の先週金曜日から日曜日までの3日間の売り上げは、昼勤で前の年と比べて4割、夜勤で6割以上減少しています。去年4月から売上が半減した状態が続いていたこともあり、今回の緊急事態宣言は、さらに大きな痛手となっています。

沖東交通・棚原靖裕常務「正直、この状態で会社継続というのは非常に困難な状況にはあります。そういった中でも、弊社ですと、タクシーの乗務員だけで750人おりますから、国からの雇用調整助成金を利用してなんとか継続している状態です」

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このタクシー会社では、国の助成金で給与を補っていますが、従業員の手取り額は前年よりも3割近く減っているということです。

沖東交通・棚原靖裕常務「第1波のときは、売上的には非常に厳しかったです。正直、今、現状と同じくらいです。ただし(第1波のときは)まだ始まったばかりでしたので、会社としても体力も資金力もある状態での対応でしたので、なんとかなったんですけど、これが10か月近く続いてしまいますと、さすがに厳しいかなというのが現状です」

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飲食店の時短営業や休業の影響をうける業者は、今回ご紹介したタクシー会社や仲卸業者だけではなく、氷やおしぼりなどを扱う業者、運転代行など様々な業種にわたります。

従業員の給与については国の休業補償をうけることができますが、家賃や設備の維持費など、必要な経費を補うものではないため、業者に大きな負担がのしかかっています。