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本島中南部の綱引きやまつりなどによく登場する「旗頭」。今年は新型コロナの影響でイベントの中止が相次ぎ、披露する場がなくなっています。

旗頭にとって最大の舞台ともいえる「那覇大綱挽」がおこなわれるはずだった10月11日、地域に元気を届けようと那覇の旗頭の担い手たちが奮起しました。

Qプラスリポート コロナ収束願い 舞え!旗頭

おととい、正午ぴったりに、那覇の空に舞った旗頭。

それは、1か所だけではありません。コロナの収束を願い、市内各地で、旗頭の演舞がおこなわれたのです。参加したのは9つの団体。

本来ならこの日、那覇大綱挽の花形として、まつりを盛り上げていたはずでしたが、今年の綱挽きは新型コロナの影響で中止に。

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若狭・松山旗頭実行委員会 上原康弘会長「コロナで気持ちが沈んでいるところを、旗頭演舞をして、みんなに元気を与えられたら」

コロナと向き合う、新様式の旗頭を追いかけました!

練習用の竿を、念入りにアルコールで消毒していたのは、若狭・松山旗頭実行委員会。今回、那覇大綱挽の予定日に地域をまわり、旗頭を披露することにしています。

若狭・松山旗頭実行委員会 上原康弘会長「世の中、みんな元気がなくなっているところがあります。そこを、若狭・松山地域から旗頭を通して、元気にしていきたいという思いで今回あげることにしました」

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綱挽きが中止となる中、旗頭をしていいのか。直前まで協議が続いたため、練習に取り掛かったのは本番の1週間前でした。

旗頭は、単なる力任せでできるものではありません。重さ40キロ、長さ6メートルの竿を、金鼓のリズムに合わせて上下に振り、優雅に踊らせるのは日々の鍛錬と経験がものをいいます。

今年は、若手の育成に時間をあてる余裕がなく、ベテランを中心に旗の持ち手が編成されました。

『この鎮群の旗頭をもって地域を元気づけたい』

例年とは違う特別な旗頭。はたして、どんな1日になるのでしょうか。

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若狭・松山地区の旗頭。灯篭は、一升ますをかたどった枠の中に菊の紋様。その下の飾りにはめでたい鶴と亀。旗に染め抜かれた「鎮群」の二文字は「勇み心の群れを鎮める」という意味を持ちます。

この旗頭を捉えた、49年前の映像が残っていました。本土復帰の1年前、戦火で途絶えた那覇大綱挽きを復活させようと、旗頭の復元に取り組んでいる時の様子です。

当時と変わらぬ姿の旗頭を掲げ、若狭・松山地区の道ジュネーが始まりました。公民館や波の上宮など8カ所で演舞を披露します。人が集まるのを避けるため、事前告知はしていませんが…音に反応して、駆け付ける人も。

地域住民「おつかれ」「ないと思っていたからよかった」「走ってきた」「音が聞こえると思って」

朝の出発の時から応援にきていた女性がいました。

女性「こういった市の文化は大事にしないと」

那覇大綱挽が復活した当初から、若狭の旗頭を裏方として支えてきたといいます。

女性「感動しますねー。もう胸いっぱいです。青年たちの、このエネルギッシュな、頑張るのを見たら自分たちも負けておられないし。それくらいのねパワーをもらって。みんな頑張らないと」

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道ジュネーのクライマックスは、この道路。昼間の姿からは想像しにくいかもしれませんが、ここは松山の繁華街。地元の飲食店にエールを贈ります。

松山の飲食店経営者「松山は(客足は)まだまだ全然。今でもやっぱり『松山は…』という方がいるんですけど。こういうことで、地域活性になってくれたら、うちとしてもうれしいので」

若狭・松山旗頭実行委員会 上原康弘会長「色んな方の声援と拍手を聞いた時には、いつもと違う感覚で、胸にじーんとくる思いがありました。また来年も、コロナが収束した際には、盛大に那覇大綱挽で持っていきたいなと思っています」

コロナ禍の制限を乗り越えて披露された旗頭。

地域住民「主人とお食事していたけど、出てきたの。うれしい、ありがたい」

那覇っ子の心意気と結束が地域に元気を届けます。

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