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Qビズ 雇用確保に新たな一手

県内企業の様々な取り組みを紹介する経済コーナー「Qビズ」です。今回は、新型コロナウイルスの影響で休業せざるを得ない企業が試みた、新しい取り組みを取材しました。

新型コロナの影響による経営悪化を理由に、解雇や雇止めにあった人の数は今月10日時点で全国で3万5001人、県内では771人に上りました。雇用への影響が深刻化する中、雇用と生活を守るための新たな取り組みが始まっています。

県内の宿泊施設を予約するウェブサイトを運営する会社「パム」。新型コロナの影響でサービスの利用者が激減し、今年4月と5月の売り上げは前年に比べおよそ9割減少しました。

パム人事部長・佐原輝哉さん「事業を閉じるものは閉じたり縮小するものを縮小し、すべて削った後に最後やはり人件費の部分も問題になり、本当に大規模な人数と期間、社員の一時休業を実施しておりました。」

多い時では全社員の3分の2が休業を余儀なくされ、希望退職者も募り、会社を去る社員もいました。経営が大きな打撃を受ける中で突き付けられたのが残された社員をどう守るかでした。

そこで佐原さんが考えたのが、社員の籍を残したまま、他の企業で1年間働いてもらう、いわば企業間で雇用をシェアする取り組みです。会社側のメリットは、休業中の社員を人材を必要としている企業に出向させることで、社員の給料を維持することができます。

Qビズ 雇用確保に新たな一手

パム人事部長・佐原輝哉さん「根底には社員のキャリアを止めない。休業している期間がいつまで続くのかわからないと言う状況で、時間だけはあるのに何もしないので何も積み上がらない。機会損失でしかない。」

社員にとっても雇用喪失のリスクを回避し給料を維持できることに加え、新しい仕事にもチャレンジできる機会にもなります。

那覇市にある「サンクスラボ」。「IT」と「福祉」をテーマに障がい福祉サービス事業所とインターネットサービスの運営を行っています。

今回「ワークシェアリング」の仕組みを使ってパムから出向している高田昌平さん。パムではウェブマーケティングを担当していた経験を活かし、サンクスラボのウェブ広告やデザインを担当しています。

高田さん「やっぱりいろんな会社で働くと、その会社のいい所とかやり方とかがすごい勉強になる。社長との距離が近いのでどんどん決裁が早く進んでいく。ウェブマーケティングとかコンテンツとかというところはまだまだ弱いので、うまく両方の会社のいいところが引き出せているのか。」

今回、高田さんを受け入れた会社の社長はどのようなメリットを感じているのでしょうか?

サンクスラボ・村上社長「さすがの実力実績というところがまず大きく感じていることであります通常の採用ではなかなかでき得ない機会に結果として繋がることができたなと思っています。」

今回のワークシェアリングという新しい取り組みを、高田さん自身はどのように受け止めたのでしょうか?

Qビズ 雇用確保に新たな一手

高田さん「今までの仲間と何とかやりきりたいという所はもうブレなかったので希望退職にも手を挙げないし、転職活動も全くしてなくてやっぱり悩みは、そうは言ってもお金なくなっちゃう。どっかで働かなきゃみたいなのがあって、(ワークシェアは)逆に救いの手だった。(今後は)100パーセントどっちか所属というよりは、今の時代なのでいろんな仕事のシェアをしていくのがいいのかなと思ってます。」

新型コロナの影響で多くの企業が経営危機に直面しており、働く人たちの生活が脅かされる中、雇用を守るために新しい働き方の模索が続いています。

Qビズ 雇用確保に新たな一手