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宮古島の陸上自衛隊で配備されたミサイル部隊が始動しました。あとは工事が進む弾薬庫の完成を残すのみとなっています。弾薬庫の建設着工から半年、国が進める陸自の配備計画に依然として反対の声が根強いこの問題を考えます。

宮古島駐屯地で新しい部隊の配備が完了したことを告げる式典が開かれました。

宮古島にミサイル部隊配備

宮古島駐屯地司令・佐藤慎二1等陸佐「宮古島は東シナ海と太平洋を隔てる要衝であり、南西防衛の第一線である。地域の安定・充実に寄与するよう務めていかなければならない」

宮古島駐屯地は去年3月に開設し、380人の警備部隊が一足先に配置されていました。

装備を説明する隊員「垂直状態で誘導弾(ミサイル)を発射いたします。垂直発射することにより、全方位及び同時多目的目標に対し攻撃をすることが可能になります」

宮古島にミサイル部隊配備

今回新たに配備されたのは地対空ミサイルと地対艦ミサイルを扱う部隊で南西地域の島しょ防衛を担う精鋭たちです。これで、駐屯地は700人規模になりました。

「ミサイル部隊発足式典をやめろー!」「戦争のできる島づくりをやめろー!」

陸自配備に反対する島の人たちが駐屯地の周囲から抗議の声をあげていました。

自衛隊に抗議文を手交「宮古島をこのような軍事の島にすることは、戦争の危機を引き寄せることに他ならない」

彼らが懸念しているのがミサイルを保管する『弾薬庫』です。

国は島の南東部に位置する「保良地区」で弾薬庫の建設を進めています。

宮古島にミサイル部隊配備

工事が始まって半年がたった現場では、重機が採石場だった場所を切り崩しながら、建物の土台をつくる作業が行われていました。国は、ここに3つの弾薬庫と射撃訓練場をつくることにしていて来年3月末の完成を目指しています。

この弾薬庫建設に『賛成』か『反対』か…小さな集落が二分されています。

建設現場で抗議を続ける・下地博盛さん「たくさんの火薬というか爆薬、そういった代物を置くという自体が我々にとっては非常に危険だということ。(弾薬庫が)できてしまえば、何十年もここにあるということになる。それはもう我々としてはとてもじゃないけど認めることはできない」

弾薬庫建設に反対の下地博盛さん。連日、工事現場で抗議を続けています。下地さんが懸念しているのは弾薬庫と集落の距離です。

それは、わずか200mしか離れておらず、集落のすぐ近くに弾薬庫が造られようとしています。万が一の事態が起きた時、地元の住民が巻き込まれると、その危険性を訴えています。

下地博盛さん「(保良で)生まれ育って、ここで働いてきた。平和な地域で、そんなに豊かじゃなくても頑張って生きてき。そういうことを根本的に覆すようなことはあっちゃいけない。とてもじゃないけれども認められない」

一方、弾薬庫を容認している仲間寛安さん。

弾薬庫建設を容認・仲間寛安さん「もろ手を挙げて賛成ということではない。(自衛隊の)宿舎ができれば(保良地区が)活性化してくるんじゃないか。そうなってほしいっていう願いを込めての容認という形にはなっているんですけど」

宮古島にミサイル部隊配備

地域を維持していくためには仕方ないと考えています。保良地区の大きな課題…それは『過疎化』です。

2011年の人口は570人、その後は減少を続け、去年2019年は469人と10年近くで100人以上少なくなっています。

子どもたちの数も減っていて、中学校も廃校状態になっています。地域の子どもたちが別の学校に通うことになったため4年前、生徒がいなくなってしまいました。

この中学校は来年3月、正式に廃校になることが決まっています。こうした苦しい現状を解消するためには、自衛隊の誘致に頼るしかないというのが仲間さんの考えです。

仲間寛安さん「何か災害があっても、まず先頭に立つのは自衛隊。そういったのことを感じている。自衛隊がいてもいいと率直に感じてます。(自衛隊の賛否について)部落で二分していがみ合うのは避けたい」

保良地区に横たわる弾薬庫の建設問題。地域の活性化か?安全の確保か?陸上自衛隊の配備計画によって引き起こされた分断。小さな集落が大きな国策に揺さぶられています。