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新しい特産品でまちのPRにつなげようと、名護市の商店街とオリオンビールが共同でクラフトビールを開発しました。

Qプラスリポート 75ビール 幻のビールでまちおこし

名護湾に沈む夕日をイメージした琥珀色。広がるアロマは、シークヮーサーのような爽やかさ。オリオンビールが先週ひらいた記者会見。お披露目されたのは、プレミアムクラフト「75BEER」。去年10月、名護市内で限定販売されたものが、12月から県内全域で購入できるようになったのです。

オリオンビール マーケティング本部・小橋川卓弥さん「昨年は反響がすごくてすぐなくなってしまったんですけれども、それをより多くの方に飲んでいただきたいという事で、今回は沖縄県全域の発売に踏み切った次第です」

まぼろしのビールとも言われた75-BEER。仕掛け人は、名護十字路商店連合会のメンバーです。商店連合会の会長で、音響機器の店を営む上地さん。

名護十字路商店連合会・上地安郎会長「1976年の海洋博、あの時から、みんなずっと悩んでいたらしいんですよ。通りすぎられている。いっぱいお客さん行ってるのに、名護に行きたいっていう目的がない」

名護市を訪れた観光客は、2017年度で512万人。しかし市内に宿泊・滞在した人の数は4分の1にとどまります。まちなかに人を呼び込むには…?商店街の人びとが起爆剤として選んだのが名護発祥のオリオンビール。

上地会長「ずっと工場あるのに、あまり付き合いもなく。オリオンビールを名護にありますよっていう売り方も(自分たちが)ちゃんとできてなかったと思う。ビールの街っていうのをみんなで盛り上げていけたら」

今回、目指したのは「ビールの街ならでは」の本格的なクラフトビールです。クラフトビールとは小規模な醸造所でつくられるビールのこと。消費者の嗜好の多様化をうけて、市場は拡大を続け、日本国内にある醸造所の数は400か所以上に。例えば、こちらはコザと那覇に拠点を構えるコザ麦酒工房。この小さな醸造所で生み出されるのが…

コザ麦酒工房・大浜安彦代表「紹介するこちらが、三線ペールエールといいます。麦とホップのバランスがいい。真ん中がシーサーブラウンエール、黒糖が少し入ってって、ちょっとスィートな感じ」

作り手のこだわりが反映された味や香り。個性の豊かさが、クラフトビールの魅力です。

Qプラスリポート 75ビール 幻のビールでまちおこし

一方の75ビール。製造を担当するオリオンビールの醸造チームは、あるルールを設けていました。それは…

オリオンビール製造部醸造課・虎石和樹主任「プロジェクトメンバーで『できない』はやめよう、『こうだったらできるかもしれない』っていうように話を進めていきましょうっていうのでやってました。もしかして新しい事になるかもしれない、面白いものができるかもしれない」

コンセプト、原料、味に至るまで、積極的に地元の意見を取り入れました。中でも大変だったのが、ビールに苦みや香りえるホップ探し。シークワァーサーの香に近いホップを探して、なんとオーストラリアまで。そして出会ったのが、このホップ。

オリオンビール製造部醸造課・山城敬太郎さん「今回、名護ビールで使うのがエラと呼ばれているホップ。オーストラリアから取りよせている希少なホップになります」

ホップの投入のタイミングにも気を使います。通常のドラフトビールと違い、最適な状態を測って手動で投入。さらに、およそ40日間の熟成を経て完成です。

Qプラスリポート 75ビール 幻のビールでまちおこし

そして、先週。12月の県全域での発売を前に、北部地区で先行販売がスタートしました。オリジナルの歌を作って商品をPR。

北海道から訪れた観光客「色んなご当地のビール飲んでるんですけど、おいしいです」

上地会長「県内だけじゃなくて、全国へ、世界へ。いろんな可能性はあると思います。外に出ていって、名護をアピールできるようになればいいかなと思います」

全国展開も視野に入れている75ビール。ビールの街として、新しい一歩を踏み出しました。