宮古島市議会 市民提訴議案を撤回

市が市民を訴えるという異例の裁判。9月18日、市長が議案を撤回しました。宮古島市のごみ処理事業をめぐり市を相手に住民訴訟を起こした市民に対し、名誉棄損だとして逆に市民を訴える裁判を市議会に上程していた宮古島市の下地敏彦市長は18日議案を撤回しました。

この問題は、2014年、宮古島市で不法投棄されたごみ撤去事業をめぐり市民6人が下地市長などに事業費約2200万円の返還を求め住民訴訟を起こしましたが最高裁で棄却され市民側の敗訴が確定しています。しかし、その後も市民が主張を変えなかったことで「市の名誉が棄損された」とし市民6人を相手に損害賠償請求を求める議案を3日の市議会に上程していたものです。

18日午前10時から行われた宮古島市議会では今回の議案について下地市長が「内容を精査する必要が生じた」として議案の撤回を議会に申し入れました。市議会では野党側が市長に詰め寄る場面もありました。

下地市長は、「最高裁での判決の結果を尊重した行動が市民にも求められる」と提訴の正当性を主張しましたが「再提案するのか」という野党議員の質問には回答しませんでした。なお、市民を訴える議案の撤回の申し出については全会一致で承認されています。

ところで宮古島市の一連の対応について専門家は。

高作正博関西大学教授「相手を黙らせることが目的であるとするならば本来表現の自由を持っている市民を黙らせることがスラップ訴訟になりますので、仮に今回の問題がもう一度再燃したらやはりそれはスラップ訴訟に該当するのではと思います」「市民を相手取って公権力の主体が(名誉権を)訴えたケースというのは存在しないわけです。その意味で言いますと今回もし訴訟にまで至ったとすればそれは前例のない裁判ということになると思いますが、私の見る限りこういった形での名誉権の主張というのは認められないであろうと思います」