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作家・井上ひさしさんが沖縄戦を描いた舞台「木の上の軍隊」が今月、沖縄市で上演されます。舞台の上で描かれるのは、戦後ずっと沖縄が抱え続ける問題への井上さんのメッセージでした。

井上麻矢さん「作家として一人ひとりの日常を奪われてしまった人たちのエピソードを書きたいと父は言っておりまして、沖縄と長崎、広島のこの三つを書かないと死ねないと言っていたんですね」

普天間かおりさん「沖縄戦で亡くなったたくさんの犠牲者の命を弔う鎮魂の祈りをもって沖縄でちゃんと演じたい、というのと後は、次の世代に渡さんといけないさあねえ」

那覇市で行われたトークイベントに出演したのは劇団こまつ座代表をつとめる井上麻矢さんと、歌手の普天間かおりさん。こまつ座の舞台「木の上の軍隊」が沖縄で上演されるのを前に思いを語りました。

普天間かおりさん「大地に根を張って、美しくて穏やかで平和な島をずっと見つめてきたガジュマルが、気づいたらそこが戦場になっている…」

『来ます…。皆、死んでいきます』『見たくないなら目を閉じていろ』

「木の上の軍隊」は終戦を知らず、伊江島の大きなガジュマルの木の上で、2人の兵隊が2年間過ごしたという実話をもとに創作された舞台です。原案は作家の井上ひさしさん。普天間さんはガジュマルに棲む精霊を演じます。

普天間かおりさん「沖縄戦の激しさに思いをはせた時の苦しさもあるしあれから70年以上が経ってもまだ沖縄がたくさんのものを背負わされ続けているという胸の痛みもあるし」

「沖縄戦」「日本と沖縄」そして「国とは」。今も沖縄が抱え続けている問題を、舞台は問いかけます。

普天間かおりさん「沖縄の人が持っている大らかさ、本当に平和を求める心、平和をあきらめない信じる心をというのがこの作品にはたくさん込められているので」

井上麻矢さん「皆が共存している世界のなかでやはり”理解し合う”ということを真摯にみつめる作品なので。そういうことを感じ取って頂けたらと思います」

作家、井上ひさしさんが沖縄戦をテーマに描いた「木の上の軍隊」、作品の舞台となったここ沖縄での上演、期待が高まります。

普天間かおり・井上麻矢トークイベント