石垣島の川平で150年前から行われている豊年祭があります。その名も「ビッチュル」。一風変わった祭りに密着しました

Qプラスリポート 石垣 川平の豊年祭「ビッチュル」

巨大な意思を担ぐ一風変わった石垣島川平の豊年祭行事「ビッチュル」。一体なぜ、こんな巨大な意思を担ぐ行事が始まったのか?カメラが密着した。

大屋広男さん。ビッチュルを取り仕切る人の一人です。

大屋広男さん「今年の豊作のお礼。豊作であったことの喜びの奉納でビッチュル石を担ぐ」

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ビッチュルとは石のこと。その石を担ぐお祭りが川平集落で行われるということなのです。果たしてその実態とは!?

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祭り前日、大屋さんの自宅で準備が行われるということで、取材させてもらいました。

大屋さん「(Q:これは何の魚ですか?)グルクン。この手の小魚を燻製にするわけ」

神様にお供えする料理を仕込むというわけです。午後7時、明日の祭りに参加する男たちが集まってきました。ビッチュル石を担ぐ男たちです。

先ほど洗ったグルクンを網の上に置いていきます。

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「(Q:これ下に敷いている葉は何?)これはソテツ。(Q:なぜソテツを敷いている?)網に魚の皮がひっついて皮が破れると見栄えも良くない、お供え物になるので」

そしてグルクンの燻製と同時に仕込まれていたのが昆布。

「要領を思い出すまでが…。こうだったよな?」

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かなり細かい作業。結び昆布と呼ばれるもので、1年に1回、ビッチュルの時にだけ作られるお供え物です。

神様へのお供え物作りは、夜を徹して行われました。

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ビッチュルの会場となるのは、赤イロ目宮鳥御嶽。川平には、宮鳥御嶽を始め計4つの御嶽があり、それぞれの御嶽でこの日、同時に豊年祭が行われています。

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昨日、作った料理を神様に供えます。供えるのはツカサと呼ばれる女性神職。

石垣の奥にあるイビと呼ばれる拝所で、儀式が行われるのですが、ツカサ以外は入ることはできません。

そして儀式が終わると、いよいよ男たちの出番です。

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岸本さん「毎年、この時期になると、持てるかが心配で」

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祭りの責任者、大屋さんが重さ60キロ以上あると言われているビッチュル石を持ち出します。そして、その石を一番に担ぐのが、岸本さんです。

農作業では米俵を担ぎます。それに見立てて石を担ぎ、境内を周り、豊作を感謝しているのだと言います。

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ちなみにこの石は祭り当日、ぶっつけ本番で担ぎ、最低でも3周はしないといけないそうです。そして回り終わったら…来年もいい年にと願いを込めて投げ落とします。

岸本さん「無事にビッチュルを奉納できて安心しています。毎年きついです。年々重たくなっている」

実はこのビッチュル石、年々重たくなっているといいます。どういうことかというと…それは150年前まで遡ります。

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豊年祭の供え物の魚を捕りに海へ出て網を仕掛けると、その網に石がかかった。場所を移動し改めて網を投げると、また石がかかる。何度、場所を変えても石がかかるので、その石を持ち帰り祀ることにしたという。網で引き上げたということだから、そんなに大きくなかったはず。それが今では米俵に相当する重さになっているのは、年々石が重くなっている証拠だという。

大屋さん「やっぱり、毎回始まるとドキドキしながら、何がドキドキするかわからないが。そういう胸騒ぎがある、始まる前は。終わったらホッとした。やっとビールが飲めると。さっきグッと飲んだ」

川平集落で行われている一風変わった豊年祭の行事「ビッチュル」。今年の恵みに感謝し来年の実りを神に祈る大切な祭りです。

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