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先月20日。宮古島市の海岸に集まったグループ。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

風の状況を確認すると、何やら着々と準備を始めます。車から取り出したのは、ヘリウムガス。そして、こちらの立方体の箱。

岩谷さん「これ装置です。今回飛ばす」

中心となって作業をする、岩谷圭介さん。

岩谷さん「内側からかかる空気の力がだいたい1トンくらいなんですよ。これはあの、すごく強い力がかかっても、壊れないものなので、」

これらの装置を、風船を使って成層圏に打ち上げるというのです。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

岩谷さんは、大学で宇宙工学を学び、2011年から、自力で風船を使った宇宙撮影に挑戦。岩谷さんが使うのは、特殊な大型の風船。

2012年には、ついに上空30000mからの撮影に成功するなど、これまでにおよそ100回の風船の打ち上げ実験を行ってきました。

打ち上げは、当初は北海道で行っていましたが、2015年からは、宮古島で行っています。そんな岩谷さん、今回の打ち上げ実験で、初めての試みを行います。

岩谷さん「ベタという熱帯魚ですね」

淡水魚のベタを装置の中に入れていきます。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

生き物が入った装置を、上空2万5000メートルの成層圏に打ち上げのです。岩谷さんが、生き物を打ち上げるのは、今回が初めてです。

打ち上げる総重量も、これまでより重くなったため、風船も、従来より大型のものを使用します。

風船に、ヘリウムガスを充填していきます。この日の風速は、およそ8メートル。風船は大きく揺れます。

いよいよ打ち上げです。と、その時!

岩谷さん「うわっ、切れた。うわー、あらあらあら、きれた?きれました」

風船とロープをつなぐ、留め具が壊れてしまいました。風船とロープをつなぐ部分が、切れてしまいました。

風船が大型化したことことと、風が強かったことで、予想以上の力がかかったことが、原因でした。

その翌日。メンバーたちは、きのう切れてしまった問題の箇所を改善し、2回目の実験を行いました。

風船の打ち上げには、航空局の許可が必要で、打ち上げのタイミングは、毎日決まった時間にしか許されません。いよいよ2回目の打ち上げです。

魚が入った装置も手放され、風船が、勢いよく上がっていきます。打ち上げは成功です。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

風船に取り付けられたカメラからの映像です。こちらは風船の高度を示しています。どんどん高度を上げていく風船。およそ時速30キロの速さで上がっていきます。

打ち上げからおよそ2分で、高度1000メートルに到達しました。宮古島がだんだんと小さく見えてきます。

打ち上げから23分。風船は、通常、飛行機が飛ぶ、高度10000メートルに到達。その後、風船はゆっくりと成層圏に入っていきます。

打ち上げから40分、高度20000メートルに到達。

そして打ち上げからおよそ50分後、風船は高度25392メートルに到達しました。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

これが、宮古島上空の高度2万5000メートルの成層圏の映像です。

そして打ち上げから51分後、リモート操作で、風船が切り離されます。装置はパラシュートを使い、時速およそ60キロの速さで急降下していきます。

そして打ち上げから、1時間7分後、装置は、ほぼ予測どおり、打ち上げ地点から北へ15キロの海上に着水しました。

岩谷さんらは、着水地点をGPSで確認し、回収に向かいます。

海上に漂う装置を発見しました。果たして、装置の中の魚は元気なのでしょうか。丁寧に回収します。魚は・・・元気に泳いでいます。

Qプラスリポート 風船で魚を成層圏へ打ち上げ

これは、水槽の中に取り付けられたカメラの映像です。上空25000メートルの成層圏で、ゆったりと泳ぐベタの様子がしっかりと映っていました。

上昇中、気温は、低いところではおよそマイナス80度になりますが、頑丈な装置が、気温と気圧から、魚を守ったのです。

岩谷さん「人が行ける可能性を示してくれた。生き物が行って帰って来れるんだと。あの容器の中はちっちゃな地球なんですよ。ちっちゃな地球を連れて行って帰ってくれるんだと。いうことを、生き物が生きて帰ってくるってことは、それを証明してくれます」

岩谷さんらは、今後5年以内に、有人による成層圏飛行の実現を目指していて、今回の実験データの解析を進めるとともに今後は、さらに大型の装置の打ち上げ実験を行うことにしています。