国と県、5回目の裁判が始まりました。辺野古の新基地建設をめぐり、県が工事の差し止めを求めた裁判で、10月10日に翁長知事が意見陳述しました。

この裁判は、辺野古の埋め立てをめぐり、国が県の規則に基づく届け出をせずに海底の岩礁を壊す工事をするのは違法だとして、県が国を訴えたもので、翁長知事の許可を得ない工事をしないことや判決が出るまで工事を止める仮処分も求めています。

裁判の前に行われた集会で翁長知事は「国が恣意的に今までのやり方を改めて基地(建設)を強引に推し進めるためにルールも変えると、そういうことでありますから、これについては裁判所で異議を申し上げていきたいと思っております」と述べました。

辺野古差止訴訟 知事「国の姿勢が問われている」

翁長知事はこのあと法廷で約10分間、意見陳述。「法令に基づき行うべき手続きをもないがしろにしようとする国の姿勢が強く問われている」と述べ、工事を差し止めるよう求めました。

これに対し国は「裁判所の審理対象にあたらない」と主張し、訴えを退けるよう求め、10日の口頭弁論は約30分あまりで終了しました。

次回裁判は11月14日に開かれる予定です。


国と県の間で5回目の裁判が始まりました。何が争われるのでしょうか。

久田記者「辺野古では現在、石材を積み上げるなどの護岸工事が進められていますが、本格的な『杭打ち』などはまだ行われていません。しかし、このままいけば確実に行われるわけで、県側はそうした工事には翁長知事による『岩礁破砕許可』が必要だ、としています。一方、国は知事の『許可』を得ずに岩礁破砕を行う方針で、その理由に、名護漁協の特別決議によって基地建設予定区域の漁業権が消滅したことを上げています。県側は、漁業権は『免許』で設定されるものなので、漁協が一部の水面の漁業権放棄を決議したとしても、それだけで完全に放棄したことにはならず、漁業権は現在も存在していると主張していて、漁業権をめぐる法解釈問題が争点になっています」

そうしたなかで翁長知事が出廷して意見陳述をしたということなんですが、何を語ったんでしょうか。

久田記者「ポイントを見ていきます。『漁業関係法令の運用に関する見解を、国は辺野古案件のため、いわば恣意的に捻じ曲げた』と発言しました。過去の国会答弁や水産庁の通知で、漁業権の変更には知事の免許が必要だとされていたにも関わらず、今回なぜ知事の免許が不要だと変更されたのか。県側はこの点がこの裁判における核心だ、として追及する構えです」

国はどう反論しているのでしょうか。

久田記者「国は、そもそも県にこの裁判を起こす権利がないと主張して、本題に入る以前に、差止請求権の有無が争点だとしています。国や地方自治体が、国民に対して義務を果たさせるよう求める訴えは裁判の対象にならないとした判例が、今回の裁判にも当てはまるので、門前払いすべきだと訴えています。今回に当てはめると、県が、国に対して『岩礁破砕許可』を申請させる、となりますが、こうした内容は裁判で審理すべきではない、という主張です。翁長知事はこれに対して『開き直りを国が率先して行い、それに司法がお墨付きを与えてしまえば、日本の法秩序はどうなってしまうのか』と陳述して、県が訴える『漁業権』の問題を争点に審理するよう訴えました」

先ほど知事は、会見を開き裁判に至った背景として「本来許可を得るべき岩礁破砕について国が県に対し、事実上の回答拒否をする行為が訴訟を提起せざるを得ない事態に至らしめた」として解決の手段は司法の判断を求めるしかないと話しています。

辺野古差止訴訟 知事「国の姿勢が問われている」