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先月、逮捕時の警察の対応が違法ではないのかとする男の裁判が開かれました。逮捕時、およそ5時間も現場で留め置かれたという男、そこから見えてくる「任意捜査」の現状とは。

適法? 任意捜査の"現状"と"限界"

パトカーに挟まれ停止している軽乗用車。その前には、警察官に囲まれた男の姿が見えます。この映像は6月11日午後9時30分ごろに撮影された映像です。

覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された36歳の男。先月26日にこの男の初公判が開かれました。男は起訴内容をおおむね認めたものの、逮捕時の那覇署の対応は違法だと主張しました。

上間記者「冒頭陳述によると男は午後6時25分、この場所で警察官に停止を求められ、道路交通法違反で摘発されました」

その後、男に覚醒剤使用の犯歴があったことから警察が任意での尿検査を求めます。しかし男はその場での検査を拒否したといいます。男はその場で留め置かれ、令状が下りた後、翌午前0時過ぎに強制採尿が行われました。

適法? 任意捜査の"現状"と"限界"

停止を求められてから強制採尿されるまでおよそ5時間、その場に留め置かれていたことになります。

最高裁は1994年、警察が被告を尿検査の令状が下りるまでの間6時間半以上留め置いた行為について違法であると示しています。

任意捜査でおよそ5時間という長時間の留め置きは果たして正当なのか、刑事訴訟法に詳しい沖縄国際大学の中野正剛教授は次のように話します。

中野正剛教授「今回の場合5時間程度に及んでいるので一般論的にいえば違法な留め置きが行われたとみられる可能性が残されているケースですね。任意捜査というのは警察にとって非常に使い勝手が良くて、実際上は強制捜査に当たるとすると時間制限などがあるわけですが、任意という風になると、時間制限が事実上なくなるわけですね、とすると実際今回の事件も5時間でしたけど何時間でも身柄の拘束が伴っていいのか。本人のプライバシーとか移動の自由とか無制限にはく奪されることになるわけですよね」

適法? 任意捜査の"現状"と"限界"

当時の捜査について那覇警察署は、「任意捜査の範囲内で行った捜査であり5時間という時間は適切に対応したうえで要した時間である」としています。