先月、佐賀県で開催された「犯罪被害者大会」。九州そして沖縄から被害者やその家族が集まりました。

主催したのは犯罪被害者たちでつくる「みどりの風」。会長の廣瀬さんも傷害致死事件で息子を亡くした遺族です。自身も同じ境遇の仲間に救われた経験からこの会を設立しました。

「みどりの風」廣瀬小百合会長「同じ思いで同じ体験をしていて、裁判とかその後も辛い思いをしているのに、私だけ1人じゃないんだっていうのがあって。来て頂ければ生きる支えというか、回復の手伝いになれば良いなと思っています」

年間120万件 犯罪被害者の家族が語る苦しみ

今回、この会に初めて参加した女性がいます江島末香さん。殺人事件で息子を失いました。

江島末香さん「捜索願いも出そうかって気持ちもありました。でも上の子が『お母さん、もう子どもじゃないし、いつか帰ってくるさい、元気にしてるさい』って感じで、言ったから待ってました」

次男の幸夫さん(当時38)は2009年、同僚3人から暴行を受け、その後11日間放置され、死亡しました。事件の後、江島さんにとってさらに衝撃的な事実もわかりました。

江島さん「(1か月以上連絡が取れず、メールで)『早くかえっておいで』『何しよっとね?』『どこにおるとね?』って『連絡ぐらいせんね』って感じで言っていたんですよ。それから全然連絡なかったし『元気にしているから』って感じ(の返事)だったんです」

1か月以上連絡がとれない息子を心配して、メールを送り続けていた江島さん。しかし、幸夫さんからだと思っていたメールは、犯人が息子を装って返信していたのです。「自分さえ気がついていたら」救えなかったと自分を責めてしまいます。

大会には、犯人が捕まっていない未解決の事件や犯人が心神喪失と診断されたため裁かれず、行き場のない思いを抱える家族が参加しています。

傷害事件の被害者「私の場合、本人が逮捕されないまま時効になってしまったんですけど。実際に加害者と思われる人は、同じ福岡市内に居住しておられる…」

家族の癒えない苦しみや怒り。廣瀬さんは犯罪被害者の声に耳を傾け、向き合って欲しいと話します。

廣瀬さん「犯罪被害者たちは、それぞれ内容は異なりますが、誰もが解決の道のない問題、どこにもぶつけようのない怒り、そして癒しようのない悲しみを抱えています。社会はこれからの犯罪被害者の現実を正面から受け止めていると言えるでしょうか」

廣瀬さん「人ごとですよね、犯罪被害に理解が。これはもういい続けていかなきゃいけないなと思います」

犯罪の背景で悲しみに耐え続ける家族。家族にとって事件に終わりはありません。

被害者の会の方のお話しでは、身内にも伝えられない苦しみがあって、被害者同士だからこそ、わかりあえる感情があるというんですね。それが、救いにもなる場合もあると言うことです。

九州・沖縄での犯罪被害者の会では、沖縄でもこの会を開催できたらと話していました。