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2月18日、那覇空港に集まる15人の大学生。行き先は東北、宮城県。これから被災地へボランティア活動に向かいます。

このボランティア活動は、浦添市にあるNPOがインターンシップの一環として被災地へ学生を同行させているもので、参加した学生はおよそ18時間の事前研修を経て、被災地へ出発します。

学生「テレビだけの情報で勝手なイメージしかなくて、こういう機会があったのでやっぱり行ってみないと」「自分にも何かできたらいいいなと。コミュニティーが欠けていると聞いたので」

『何かできることがあるはず』学生たちは漠然とした気持ちで出発しました。

仙台空港に降り立った翌日、学生たちが最初に向かった場所は仙台市の南東に位置する名取市閖上(ゆりあげ)地区。

学生「ここに一年前に住んでいた人たちはどんな気持ちになったんだろう」「もう1年経つから全体的に復興されてると思った。でも沿岸部とか田舎の地域は(復興が)全然進んでない」

震災前、住宅地だったであろう場所。街の全てが津波に飲み込まれていました。いきなり突き付けられた現実に、ただ立ちつくす学生たち。

その夜ー。

学生「目標っていってまだピンときてないんですけど」「みんなからの話もきいて・・・やっぱり・・・」

ボランティア活動の意味、東北に来た目的を改めて考える15人、言葉がうまく出てきません。

学生「実際みたら想像以上で、2日目とかから自分にできることがないんじゃないか、自分たちが支援をするには(規模が)大きすぎる」

活動3日目。無力感にさいなまれていた彼らの心を動かす出会いがありました。

地元学生「ごつい手袋(笑)」沖縄学生「もうちょっと寒いかと思って」

仙台市内の専門学校生との作業。自分たちと同じ学生が笑顔でボランティア活動に励む姿。沖縄の大学生にも笑顔が出てきました。そして、彼らは被災地の人と向かい合い始めます。

漁師さん「こっちは上げちゃダメ」

学生「以前よりは大きい漁をしていないけど、もう大丈夫だよって言葉を聞けた」

漁場が壊滅的な被害を受けた石巻市牡鹿半島では、漁師さんたちと魚網の修復作業や牡蠣の養殖網作りに励みます。

午後には震災後の新たな産業、鹿の角を使った工芸品作りにも参加しました。

学生「話を聞いてくれて、共感してくれて、一緒に泣いてくれて、こういうコミュニケーションが心強いよって言ってくれた」

学生たちが目にした現実。その一方で被災地には日々復興に向けて頑張る人の姿、そして笑顔がありました。

「いらっしゃいませー!!」震災から1年を迎えたおととい。学生たちは東北の人たちと笑顔で東北名物「芋煮」を売っていました。

学生「このままなかったことにしたくないなと思って。1年1年、この日にこんなイベントを通して、亡くなった方のためにも活動をしていけたら」「地域の人たちがめっちゃ頑張っているの見てきたから、どうにかそれを発信していきたい」「東北に行ったことを忘れない。自分が経験したことを話していきたいし、伝えていきたい」

たった8日間のボランティア。しかし学生たちはそれぞれに「何ができるのか」、その答えを持ち帰ったようです。