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普天間基地の辺野古移設に向けた環境影響評価のやり直し義務の確認を求める裁判が5日開かれSACO合意当時の防衛庁の交渉担当者が証人として法廷に呼ばれました。

5日の法廷に証人として出廷したのは、SACO合意当時の、防衛庁の交渉担当者で現在、防衛研究所の所長をつとめる高見沢将林さんです。

高見沢所長は、1996年のSACO最終報告の前に、オスプレイ配備に関する想定質問をアメリカ側に届けたとされる人物で原告側にとっては、2011年12月に提出された評価書に初めて記載されたオスプレイの配備を、国がどの段階で知っていたかを引き出せる重要な証人だとされていました。

しかし、法廷に立った高見沢所長に対し、防衛大臣から許可された証言は、国会答弁や公に知られた事実のみでオスプレイ配備について議論があったかについては「当時は開発中だったのでどういった配備をするかまでの議論ではなかった」と説明。

また、評価書以前にオスプレイについて記載しなかったことを聞かれると「(アセスは)直接の担当ではないので答えられない」としました。高見沢所長はその他の質問にも、「守秘義務」を理由に証言を避けました。

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原告団が待ち望んでいた高見沢所長の証人尋問。歴史的な尋問に気合が入ります。

真喜志さん「96年時点にオスプレイの配備をアメリカから知らされていたこと。そのことを証言として引き出したいですね」加藤弁護士「これまで政府の側が、沖縄の米軍基地の問題について隠し続けて国会でものらりくらりとしてきた。それを市民の側が引きずり出して、法廷という真実を述証言する場で明らかにさせていくということは、大きな意義があるのではないかと思っています」

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きょうの法廷で弁護団に立ちはだかったのは、守秘義務の壁です。高見沢所長が、防衛大臣から許可された証言は、国会答弁や公知の事実のみ。高見沢所長がアメリカ側に届けたとされる、オスプレイ配備を巡る想定質問など、アメリカ側から出てきた文書や交渉内容については、守秘義務の観点から答えられないとしました。弁護団は国会答弁を引用しながら、オスプレイ配備の可能性について質問します。

原告側代理人「オスプレイについては、96年当時から色んな議論がされてきて可能性があるという話しはあったが、具体的なものはないと」高見沢証人「はいこの通りです。」原告側代理人「可能性の議論があったことは認めていますよね?」高見沢証人「はい」

原告側代理人「CH-46の代替機種は、オスプレイ以外にはありませんね?」高見沢証人「オスプレイ以外には(ない)。」原告側代理人「配備が米国内で進むことになって、方法書に記載されなかったのはなぜですか?」高見沢証人「(アセスは)直接私自身が担当ではない。」

真相に踏み込まず、あくまでやり過ごそうとする高見沢所長。代替施設の建設については、自らが、総括的な立場であることを認めています。

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さらに、高見沢所長がアメリカ側に届けたとされるオスプレイ配備の想定質問について、参議院で質問された際には「当然そういったことを含めて、日米間で真剣にしていたという記憶がございます。」と答弁していますが、そのことを弁護団が確認すると「国会の質問にはいつもそのまま答えるわけではありません」と国会での答弁のあやふやさを露呈するような発言もありました。