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来年春の統廃合が決まった全校児童10人のうるま市立宮城小学校。こどもたちは学校最後の思い出に、宮城島に昔あったと伝わる田んぼ作りに挑戦しました。その稲穂が実りの時期を迎えました。

沖縄県中部の東海岸に浮かぶ宮城島。以前はこの渡り舟で沖縄本島との行き来をしていたこの島も、今では海中道路が開通し、島の交通も便利になりました。しかし…。

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多いときは500人を超えていた宮城小学校の全校児童次第に過疎化が進み、現在はわずか10人。小学校は来年春、廃校となります。

北野愛弓さん「おばあちゃんやお父さんも思い出があるので、最後は宮城小で卒業したかったんですけど、それができなくて悲しい」

今年宮城島から沖縄本島に引越した北野愛弓(うらら)さんと暉士くん。兄弟です。2人にとっては10人の仲間と過ごすのは今年が最後の年です。

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宮城小では廃校を前に、島の文化や歴史を学ぶ機会を増やしています。その1つが、おじいちゃんやおばあちゃんが育った頃にあったと言われる「田んぼ」作りです。

桃原広隆先生「昔あった宮城島を子ども達に少しでも体験させてあげたいという願い。宮城島のアイデンティティを育てていけたらと」

おや、昔あった風景が田んぼの中によみがえり始めたようです。

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「オタマジャクシ、足が生えてる~」「気持ちわるい~」「ヤゴつかんだ~」

暉士くんが見つけたのは水中生物のヤゴ。

「(これなんだ?)ヤゴのぬけがら」「(これは何になったの?)トンボ」

トンボも昔はたくさん飛び回っていたのかもしれません。

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そしていよいよ実りの時期です。

「めだか踏まないでよ」「(稲切ってどんな気分ですか?)うれしいです」「(切る)オオー」「とっても気持ちいい気分。やっと取れたと思いました」

収穫を向かえ表情も緩みます。みんなうれしそうです。

「うれしい気持ち」「すずめにも食べられず、バッタにも葉が食べられず、収穫できてとってもうれしかったです!」「最後に一言、稲はいいね~(笑)」

小さな田んぼから生まれたお米はわずかな量ですが、来月みんなで大切に食べる予定です。

そして10人の心に実った宮城島への思い、さらに大きく育っていました。

愛弓さん「宮城島はとても自然が豊かできれいな環境。人も優しくていい島だと思いました」

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このあと行われた敬老会では、大好きなおじいちゃんおばあちゃんのために今年も子どもたちが精一杯の演技を見せました。

学校はなくなっても、島から引越しても宮城島への思いは変わりません。

おばあちゃん「島の宝ですよ」

子どもたちに引き継がれた島のアイデンティティ。ふるさとへの思いがまた1つ実った秋でした。

小さな田んぼの中には宮城島の自然が凝縮されていましたね。できたおコメの量は1キロほどだったそうなんですが、それ以上の収穫が子どもたちの心に実ったようでした。この授業で学んだ島への思い、いつまでも続いてほしいですね。