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経済的合理性がないと裁判で判断された泡瀬干潟の埋め立て事業ですが、沖縄市は埋め立てる干潟の面積を縮小し、スポーツと保養の拠点施設を盛り込んで計画の見直しを行い、14日から工事を再開しました。この埋め立て事業を巡って、地元は二分しています。

14日の作業は、航行するに船舶に対して工事区域を知らせるためのブイを設置するもので、沖縄総合事務局は、この作業から埋め立て工事の再開だとしています。

工事再開を受け、反対する住民らが工事車両の搬入口前で抗議集会を開いています。抗議集会にはおよそ30人が参加し、埋め立てで泡瀬干潟の貴重な自然環境が破壊されることや、沖縄市が新たなに作成した土地利用計画には経済的合理性がないとして、工事の即時中止を訴えました。

泡瀬干潟を守る連絡会の小橋川共男共同代表は「もう本当に怒りで胸が張り裂けそうな感情。何とかこの埋め立てをストップさせるために、全県民そして全国の皆さんの応援もお願いしたいと思います」と話しました。

一方、埋め立て事業に賛成する住民らは、14日の工事再開を歓迎し、集会を開きました。商工会や観光協会など経済団体に加え、工事に賛成する市議会議員などおよそ100人が参加。事業の即時完成を訴えてました。

沖縄市東部海浜開発推進協議会の新垣直彦会長は「本当に喜んでいます。再開していただき、関係各位に感謝を申し上げたいと思います。この事業の一日も早い推進をお願いしたい」と話しました。

埋め立て工事の再開について仲井真知事は14日の定例記者会見で、歓迎する意向を示しました。仲井真知事は「早く工事を進めて完成にもって、その活用すべきだというのが私の意見でございます」と話しています。

沖縄総合事務局は早ければ10月終わり頃から、本格的な干潟の埋め立て工事などに着手する方針です。

工事再開で事業推進派は、埋め立て事業を早く完成させたいとしていますが、裁判で指摘されたこの事業の経済的合理性について沖縄市は新たな計画を作成していますが、未だ不透明な部分も多く残っています。干潟の自然環境を守ろうとする反対派は、新たな裁判を準備するなど、今後も埋め立て事業を巡って混乱が予想されます。