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ほぼ互角の激しい闘いとなっています。QABと朝日新聞、沖縄タイムスは28日の知事選に関する情勢調査を行い、新人の伊波さんと現職の仲井真弘多さんが激しく競り合っていることが分かりました。

情勢調査は21日と20日の2日間、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が直接電話をかける方法で行いました。有効回答は906人。回答率は61%でした。

その結果、新人の伊波洋一さんと現職の仲井真弘多さんは「支持」がほぼ互角で激しく競り合っていることが分かりました。幸福実現党の金城竜郎さんは厳しい状況です。投票態度を明らかにした人のうち全体の6割を占める無党派層でも伊波さんと仲井真さんの支持はほぼ互角です。

今回、国政与党の民主党は独自候補を擁立しませんでしたがその民主支持層でも伊波さんと仲井真さんの支持は伯仲しています。年代別では50代と60代では伊波さんの支持が多めで70歳以上では仲井真さん支持がやや厚めとなっています。

地域別にみると伊波さんは中部で仲井真さんは南部で支持を広げています。職業別では伊波さんは事務・技術職層や主婦層、仲井真さんは製造業やサービス業で支持が厚くなっています。

有権者の関心は「経済の活性化」が49%と最も多く続いて「基地問題」が36%でした。普天間問題の望ましい解決方法について有権者の回答は「国外移設」が57%「県内」は18%「本土」は15%でした。

このうち「国外」を選んだ人は伊波さんの支持がやや厚くなっていて「県内」や「本土」と答えた人は7割以上が仲井真さんを支持しています。しかし、今回の調査では有権者の2割が投票態度を明らかにしておらず終盤にかけて情勢が変わる可能性もあります。

岸本さん 伊波さんと仲井真さんの大接戦になっているようですが両陣営ともに危機感を強めているのでは?

そうですね。緊張感が高まってきていますね。というのも、両陣営ともにこれまでの戦略通りに出来ている部分と出来ていない部分があるんですね。伊波さんは、基地問題に対する県民の怒りを最大限に票につなげたい。これは選挙戦の中でも、伊波さんのはっきりとしたメッセージとして県民にもしっかり伝わっていると思います。

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また、仲井真さんとしては1期目と同じように、自民・公明の組織票をまず固めたい。これは、自民党が野党になってからも協力体制は崩れていない。実際、7月の参院選を見ても、自公の結束は固かったんですね。この2つについては、両陣営ともほぼ計画通りと言えるんですが、しかし、伊波さんは、反基地のイメージが強すぎてそれ以外の政策がなかなか有権者に浸透していない感は否めません。

伊波陣営もその点を心配していて、一度公約を発表した後にもう一度、経済と雇用に的を絞った政策発表を行ったんです。これも、伊波陣営のそうした懸念が表に現れた形ですし、情勢調査でも、最大の関心は「経済の活性化」ですから、これが伝わらなければ、無党派層の票は掴みにくいということになる

一方、仲井真さんは、この自公の基礎票にさらに無党派層の票を積みたい訳ですがその無党派層を、伊波さんと同じようにまだしっかり掴むことができないでいる。また、仲井真さんは、県内移設容認の立場を県外要求に変えて、今回の選挙戦に臨んでいますから、これまで仲井真さんを推してきた保守の票を逆に取りこぼしてしまう心配があると心配しています。

選挙に入っても、尖閣問題と自衛隊の増強が連日報じられていて、各陣営、国防問題への関心の高まりも気になるところでは?

そうですね。保守の仲井真陣営としては防衛に強い関心を持った支持者の票が若干ではあっても別の候補に流れる可能性を否定しないんですね。接戦になればなるほど、票の取りこぼしは痛いですから陣営は引き締めに懸命になっています。

一方、伊波さんは、自衛隊の先島への配備にはっきりと反対していますから尖閣問題がクローズアップされればされるほど伊波さんの主張は現実的に見てどうなの?という捉え方を有権者にされる可能性がありますよね。そういう意味では、この尖閣問題が今回の知事選に与える影響は小さくないと言えそうですね。