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さて、ついに開幕まで1ヶ月を切った美ら島沖縄総体。「活躍予感の主役達」きょうは剣道です。

どうしても成績を重視してしまう私立校にあって、わずかな練習時間にも関わらず、県代表となった逞しい剣士が登場です。

先月29日の県高校総体剣道、男子個人決勝戦。向かって右手、白は昭和薬科・山城対赤・那覇の粟国。子どもの頃は同じ剣道クラブに所属し、良く知る相手だ。試合は互いに譲らず延長戦にまでもつれ込むが、山城の小手が決まり白旗が上がる。攻めてきた相手の手元が上がったことを見逃さず、小手を打ち込む。一瞬の隙をついて山城の小手が打ち込まれた。

学校として11年ぶりの個人優勝だった。優勝の瞬間から、面の奥には山城の泣き顔があった。そして、泣いているのは山城だけではなかった。監督も仲間達も皆泣いていた。

山城裕哉くんは、薬科男子剣道部の主将。男女合わせて16人の部員が毎日練習に汗を流しているが、学校は県内でもトップクラスの進学校だけに、練習時間は月曜と火曜が2時間。それ以外は1時間。あとは土日に3時間余り出来る程度だ。

山城裕哉「かなり自分を追い込みました。練習は1時間しかないと思うけど、でも1時間でも密度を濃くすれば、2時間3時間以上の稽古ができると思っている」

さらに那覇や興南といった指定校のように剣道にのめり込む時間はない。しかも、成績が下がれば部活は禁止。どんなに疲れていても、家に帰れば家庭学習に励んだ。

山城裕哉「(家庭学習は?)2~3時間はやっていると思います(毎日?)はい。どっちかを捨てるのではなく、どっちも頑張れているからこそどっちも生きてくると思っていたので、その言葉を信じてやり通しました」

剣道で相手と向き合う前に、自分との戦いがあった山城くん。そんな主将の姿を仲間は知っていた。それが、あの決勝戦での皆の涙だった。

崎山秀平「(中学から)5年間、一緒に戦ってきた仲間ですし、一緒に戦っている気持ちだったので自然と涙が出てきました」

山城裕哉「(優勝して皆が喜んでいる姿を見る)このために自分は剣道を頑張ってきたんだなっていう思いがしました」

文武両道の道をひたむきに突き進み、県代表の座を掴み取った山城裕哉主将!次なる目標は本番の美ら島総体だ!

石川清正監督「勉強するということは孤独になりますから、その孤独の中で培われるものというのはものすごくあると思う」

山城裕哉「自分を信じて先生方の教えを信じて、そして共にやってきた仲間を信じて、それを今度は自分のプライドに変えて、試合場では思いっきり試合したいと思います」