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めざせ甲子園12校目のきょうは西原高校。3年生の部員は5人。そこには強い絆がありました。

県立西原高校は創立34年、部員数は60人。熱気渦巻くグランドで、部員を指導するのは上原健監督です。

上原健監督「外野、ボールを持ってないときに誰がどういう動きをしているか。これが重要だよ、これしっかりやれ。いいか」

西原高校、春の大会の成績はベスト16。主力を1、2年生で占めるチームで、3年生の登録数はわずか4人。しかし春の登録には名前がなかった5人目の3年生がいました。

彼の名は島井寛仁くん。キレのある140キロ台のストレートが武器で、バッティングでも流し打ちがうまく、またその身体能力は県内でもずばぬけており、プロが注目する程の好投手。しかし、有名私立高校に有力選手として入学したものの、部内の人間関係に悩み退部。西原高校に転校した頃は野球そのものを辞める気持ちになったと言います。

上原健監督「彼にもう一度、野球の楽しさを思い出して一緒にやろうとということで声をかけました」

島井寛仁選手「先輩なんかもあたたかく迎えてくれて、最初は戸惑いとかもあったんですけど、色々教えてもらったりして」

高校野球の規定で、転校後一年間は公式戦へ出場することができなかった島井君。彼を支えたのは監督の暖かい心とチームの先輩たち。そして4人の3年生だったのです。

斉藤克哉選手「前にいた高校がとても強い高校で、いきなり転校してきたので最初はびっくりしたんですけど、すぐに持ち前の明るさなどで3年生ともすぐに仲良くなったり」

棚原健人選手「彼が来て、西高の考え方も変わって、練習量も増えて、元気も出て、色々彼が来て変わりました」

中村祐太選手「今残ったメンバーで最後まで残ってくれて、最後はできるだけ長くみんなと一緒にやっていきたいと思っています」

島井選手「辞めたいとか思ったりしたんですけど、仲間の優しさっていうものに自分は救われたものがいっぱいあります」

仲間たちが口々に変わったというチームの気になる戦力分析は、全体的に控えめな監督の分析ですが、唯一4がついたのが投手力。140キロの快速球を武器にする島井投手と、ゆったりしたフォームから切れのあるボールを投げる3年生投手・又吉克樹投手。今年の西原は、両ピッチャー陣を中心に守りからリズムを作っていきます。

又吉克樹選手「今はスイングスピードをあげて、打球を前だけに飛ばすという練習をしているので、それができたら試合も有利に運べるので、それが中心です」

島井選手「ピッチングは速い球を投げると意識せず、コースをついて、しっかり打たせて取るように。バックを信じて・・・信じてます」

そして勝利を掴むためにチームを支えるマネージャーも忘れられない存在です。

マネージャー・安里メリサさん「部員は一生懸命頑張っていて、マネージャーもその支えになっていると思うので、この夏、甲子園を目指してがんばっていきたいと思います」

西原高校の初戦は22日、対沖縄高専。初戦突破を目指し、5人目の3年生、遅れてきたエースの島井選手と共に夏の甲子園をめざします。

上原監督「力がどうのこうのというよりも、本当に最後の最後まで辿りついてきたこの(3年生)5人というのは、やっぱり後輩の励みになると思いますので、精一杯最後の最後まで引っ張り上げて、いい思いをさせたいと思います」

島井選手「自分は最後の夏にかける思いが他の人よりも強いと感じてると思うので、一応最後の夏は悔いの残らないようなプレイしたいです」

『めざせ!甲子園!こことここをくっつけると勝利のVサイン!甲子園行くぞ!おー!!』

めざせ甲子園あすは那覇市の沖縄工業高校です。