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きょうはウミンチュの街、糸満の文化を次の世代にも伝えていこうと、別の用途に生まれ変わったこちらを紹介します。

旧暦の5月4日に行われる糸満ハーレーは、海の恵みに感謝し、大漁と航海の安全を祈願するもの。その船やサバニを漕ぐ櫂「エーク」。独特な形で荒波のなかでもしっかり水をかきだすことが出来るすぐれもの。でも最近はあまり見ることもなくなりました。

そのエークが長さおよそ10センチのミニチュアサイズに。何に使うのかというとマドラーなのです。作っているのは糸満市の上原謙さん。

上原謙さん「親が船大工だったから、こういうの作ってるのを見てきた。また実際に使ってるのを見てるし、僕は海人じゃないけれど、理屈はしってるわけよ」

ミニチュアのエークは竹を加工して作ったもの。自宅を改装した工房で作業を行いますが、この工房には上原さんが集めたたくさんの漁業に関する資料が並んでいます。上原さんは、なぜエークに注目したのでしょうか?

上原さん「糸満は大量に何かを作るとき、シンメーナービーで作ります。そのときのしゃもじはエークなんです。糸満は海の道具で生活やっている。例えばハーレーのときに舟を漕ぐときもエーク、まかないを作るときもエーク。ケンカするときもエーク」

糸満の人たちに昔から親しまれてきたエークを糸満の文化として、次の世代にも伝えていこうという想いがあります。

上原さん「そうだな、糸満が大好き。糸満が大好きだから、糸満を元気づけようということで今ワクワクしてる」

上原さんは現在NPOを立ち上げ、市と共に糸満の博物館を作る計画を進めています。このマドラーも糸満の海の文化を伝えるグッズとして販売する予定だということです。