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最近CMなどでその名をよく耳にする「ジェネリック医薬品」をご存知でしょうか。

最初に開発され、特許に守られている「新薬」という処方薬に対し、その特許が切れたあとに別メーカーで作られる後発薬、それが「ジェネリック医薬品」です。一般的な薬よりだいぶ低価格ということは聞いていますが、どれだけ安く、そして私たちの暮らしにどう影響するのか、詳しくお伝えします。比嘉雅人記者です。

ここ数年、増加し続ける医療費。2005年度、国民一人あたりの医療費は年間25万9000円!どうにか経済的な負担を軽くする事は出来ないのでしょうか。

いま医療現場では、安くて新しい医薬品の導入が進んでいます。この並んだ二種類の薬品はどちらも病院の処方薬。実はどちらも同じ成分で、同じ効き目の薬品ですが、大きな違いはその価格です。

たとえば、胃や十二指腸潰瘍に処方されるこのお薬は、左が119円余り、比べて右はおよそ60円。

血液が固まるのを防ぎ、血管を広げる作用のあるこの薬は121円、同じ効き目のこの薬はなんと41円。

これらは「ジェネリック医薬品」と呼ばれる薬で、国内で初めて発売された「新薬」に対し、その特許期間の満了後に製造・販売されるものです。開発費が削減されるため、新薬と同じ効き目でありながら価格を低く抑えることができます。

この病院では、5年前からジェネリック医薬品の導入に病院全体をあげて取り組んでいます。現在、扱っている800の医薬品のうち、ジェネリック医薬品は448品目。半分以上、価格の安い医薬品を採用しています。何よりも「患者が安心して医療を受けられる体制」を第一に考えた結果です。

嶺井第一病院薬剤部・又吉康貴部長「とくに高齢者の場合は継続して薬を飲むこともありますし、慢性のものになると、もう何十年も飲まなきゃいけなくなる。それを途中で”薬代が払えない”、”病院にいけない”と断念させるのは、これはあってはならないことだと思う」

新薬をジェネリック医薬品に変えると薬代はどれくらい変わるのでしょうか。たとえば高血圧症の男性。健保か国保で3割負担で一日一回、代表的な新薬を飲み続けると薬代は9860円です。これをジェネリックに変えると年間の薬代は2190円。差額は7670円にもなります。新薬と比べ、3割から8割も安い、ジェネリック医薬品が医療費の負担を大幅に減らすのです。

厚生労働省の国民栄養調査によると、60歳代の高血圧や高脂血症の人は全体の60パーセント、肥満や高血糖はそれぞれ30パーセント。

これは、国民医療費を表すグラフ。90年代はじめには22兆円だった医療費は、99年に30兆円を突破。その後も増加を続け、2005年には33兆円を超えました。

いまも増え続ける医療費をいかに抑えるか。その対策として厚労省が力を入れているのが、ジェネリック医薬品導入の促進。来月からは医療制度改革で処方せんの書き方も変更されることになっています。

これは従来の処方せん、ジェネリックに変更してもいいと医者が判断した場合に署名をするものでしたが、これが「ジェネリックへの変更不可」の場合に署名する方式に変わります。この変更で、とくに先発薬の必要がある場合をのぞき、薬局で積極的にジェネリックを処方することが容易になります。

先発薬が主流をしめていたこれまで、その薬品の商品名を書くのが日本では一般的でした。しかしジェネリックで多くの薬品名が普及してくると、診察する医師と新薬品に関する多くの情報をもつ薬剤士とのリレーションが重要となってきます。

又吉部長「その辺のところは薬局で、きちんと薬の名前を変えるとか、薬品の情報を伝えるとか、作業の煩わしさを解消してあげることも大事だと思う」

ではジェネリック医薬品に変えてもらうにはどうするか。病院によって、まだその普及の度合いが違うので、まずその病院に尋ねてみることです。それから診察を受けるお医者さんに「ジェネリックに変えられるかどうか」を質問すること。また、日本ジェネリック医薬品学会のHPには、服用している薬の名前を入れるだけで、その薬品が新薬かジェネリックか、新薬ならばジェネリックが出ているどうかを検索することもできます。治療を受ける側の私たちも、家計を考え、受身ではなく、医者と向き合って相談するという姿勢が必要でなのです。

又吉部長「自分の病気に対して“いくらかかる”、“いくら必要”ということをしっかり把握して、そして4月からは医療制度改革でジェネリックの処方が身近になるわけですから、もっともっと自分からアプローチしていただきたい」

新薬と比べて格段に価格の安いジェネリック薬品ですが、価格が新薬とあまり変わらないの、そしてまだジェネリック医薬品が出ていない薬もあります。しかし、現在多くのジェネリック医薬品が出ていますから、それをぜひ病院やインターネットなどで確認してみてください。

また、お医者様に直接は言いにくいという方は、このような意思表示カードもありますので活用するのもいいでしょう。どちらにしてもご自分のことです。積極的にお医者様や薬局と相談することが、これからは必要でしょう。