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防衛庁と航空自衛隊が宮古島にある自衛隊基地に電子情報を収集する新型の施設を設置を計画し、調査のための工事にすでに着手していたことがわかりました。謝花記者のリポートです。

謝花記者「航空自衛隊が最新型の電波測定施設の設置を進めているのがこの宮古島分屯基地です。ゲートからは巨大なアンテナが4基そびえ立っているのが見えます」

『レーダーサイト』とも呼ばれる、宮古島分屯基地に新たに設置が進められている電波測定施設は、航空機や艦船の電子機器から発する電波を収集し分析するもので、中国をはじめ南西方面の情報収集を強化することが目的です。

予算は、現地調査費が今年度予算に計上され、すでに建物の工事などに着手しています。

航空自衛隊は、去年の7月に当時の上野村に概要を説明していましたが、当時の川田村長は老朽化した施設を新しくする程度としか受け止めていませんでした。

上野村・川田正一村長(当時)「老朽化している部分をまとめてやりたい。レーダーの施設もするかもしれないと、その範囲しか聞いていない」

寝耳に水と憤るのは宮古島市の伊志嶺市長。基地機能の強化に強く抗議する姿勢です。

宮古島市・伊志嶺亮市長「(そういう基地機能の増強は)国との緊張感の高まりにつながると思います。宮古島市民にとってこれは大いに憂慮すべきことなので、そういう軋轢が高まるようなことはやってもらいたくない」

さらに、きのう分屯基地の司令が市役所を訪れ市長と面談しましたが、『電波測定施設については全く触れなかった』と不信感をもあらわにしました。

宮古島市民「本当はそういうものないほうがいい。その方が平和と思います。それがなければ(他国は)ここには目を向けませんよね」「あとはどうなるか心配じゃないですか。アメリカが利用したらどうなるかと」

沖縄本島の嘉手納基地では、先月末から搬入された迎撃ミサイル・パトリオットの装備品が並び、発射台が斜めに標的を向いた形で組み立てられ、今年中の運用開始に向け着々と準備が進められています。

謝花記者「政府が安全保障の確保を目的に基地機能の強化を進めているこの方向は、平和を願う県民の願いとは逆のように感じてなりません」

嘉手納基地へのパトリオット配備とともに宮古での新たな施設と、基地の機能拡大だけが進む現状に県民の反発は避けられそうもありません。