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沖縄の女性を応援する「美ら島ウーマン」。きょうは、厳しい修行を乗り越えて、ある職人として伝統を受け継ぐ女性を紹介します。

仲井真悦子さん「すぐみんなで集まった時に、椅子がなくてもいっぱい座れますし、一家団欒ができるので、やはり畳っていいなっていう風にどんどん思い始めていて」

真剣な表情で、畳製作をしているのは、仲井真悦子さん。彼女は、女性としては県内初の一級畳製作技能士を取得しました。この資格は、10年以上の修行を積まなければ、受験資格すらありません。厳しい修行を乗り越えたのは、伝統を受け継ぎたいという責任感からでした。

美ら島Woman 伝統の技受け継ぐ~仲井真悦子さん~

仲井真さん「うちの両親も年をとってきたら力仕事はできなくなりますし、やっぱり畳って日本の伝統なのでもう私がやるしかないかなっていうことでやることにしました。」

もともとは医療機関に勤務していましたが、幼い頃から父朝宏さんが一生懸命畳づくりをしている背中を見てきた仲井真さん。この技術を終わらせてはいけないという気持ちが強くなったといいます。

仲井真悦子さん「もう最初はこのたとえばこの針をもっていくのがあるんですけど、これができなくて、もうまず最初はこの針をいれる練習からですね。」

美ら島Woman 伝統の技受け継ぐ~仲井真悦子さん~

何年も修行を重ね、一人前になった仲井真さんを、朝宏さんは、自慢の娘だといいます。

お父さん「もうやっぱり一級技能士は合格だなぁという気持ちはもてますね、親としては。やろうという気持ちがなくちゃできるもんじゃないでしょ。この針のとり具合もね、ぼくらと変わりはないですよ。」

畳屋を営んでいる仲井真さん一家。今では、悦子さんが朝宏さんの後を継ぐために、日々、技術の向上につとめています。

仲井真さん「忙しくなっててもやはり丁寧に、畳一枚一枚が丁寧に仕上げないと気が済まないというか、やっぱりゆっくり丁寧につくっているっていうのがこだわりですね。」

美ら島Woman 伝統の技受け継ぐ~仲井真悦子さん~

畳づくりの中で、最も難しいとされるのがこの「へりつけ」の作業。まっすぐにする「平ざし」と、端を作る「すみづくり」は、その作業次第で畳の出来が左右され、最も職人の腕が試される所です。

仲井真さん「感覚とかコツとかは自分で掴まないと自分でなれるしかないよっていうことでもうひたすら練習ですね。」

畳が入り、毎日生活していく中で、その良さを実感しています。子供も「畳いいね」とゴロンと横になったり、下の子が転んでも安心です。2人の子どもを持つお母さんからの感謝の手紙。仲井真さん自身も、子育てを通して「畳の良さ」を実感したといいます。

仲井真さん「畳はちょっと弾力があったり座ったりしたときにクッション性があるというか、畳のほうが気持ちいいなぁっていう感じで。」

ほかにも、通気性や吸湿性に優れていることから、赤ちゃんにとっても過ごしやすい環境を整えてくれると畳の魅力を話します。

美ら島Woman 伝統の技受け継ぐ~仲井真悦子さん~

仲井真さん「畳がどんどん好きになってきています。敷いた時の達成感がすごく嬉しいので、やはり体力が続く限りは畳を、仕事をして少しでも多くの方に畳の良さをわかっていただければっていう風に思っていますので頑張ってやろうと思っています。」

これからも伝統を受け継ぎながら、畳のぬくもりを伝えていきます。